大人気の日系コーヒー店にて
フィリピンの六本木ヒルズ、ボニファシオグローバルシティ(BGC)に新進気鋭の日系スペシャリティコーヒー店「アラビカ」ができたというので行ってみた。
» 京都のコーヒー屋「%Arabica Coffee」もうすぐBGCでオープン ブログ | フィリピンプライマー
発展途上国はどこもスタバをはじめとするコーヒーブームだ。知り合いの金持ちもコーヒー農園に手を出してグルメコーヒーを作り始めている。今やおしゃれカフェで凝ったコーヒーを飲むのは、アジアのファッションである。
私がフィリピンに初めて来た20年前は、レストランでコーヒーを頼むとネスカフェとお湯が入ったカップが出されるのがデフォルト。つまりコーヒー=インスタント。
我々のイメージするアイスコーヒーは存在しておらず、何度「アイスコーヒー」と注文しても怪訝な顔をされ、「自分の発音が悪いのか・・」と凹んだのもいい思い出だ。
(アイスコーヒーは日本発祥のようである 参照:https://ja.wikipedia.org/wiki%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC)
15年ほど前にはスターバックスが出始めたが当時は三百円もするコーヒーを飲める人はおらず、店内には日本人と白人しかいなかった。
ところが急激な経済発展を受けて今やスタバはマニラだけでも300店舗もあり、どこも客で溢れている。
ブームにあやかろうと雨後の筍よろしく、韓国やフィリピンローカルのコーヒー店もできたり消えたりを繰り返している。個人的にいくつかのぞいてみたが、いずれも値段だけ一丁前で、質はドトールコーヒー以下。日本のよくできた純喫茶のようなクオリティはまだまだ望むべくもない。
そんなスタバの一人勝ちの市場で、日系コーヒー店で極めて高い評価を受けているのが「アラビカ」だ。現地のグルメサイトで見ても喫茶部門でトップである。調べてみたらアメリカの大学を出た40代の日本人が経営しているという。
まずは素晴らしいのはオリジナリティを感じる内装だ。
フィリピンで最近見かけるこの手の店の内装は、インスタではキレイだが、テーブルが傾いていたり、塗装にムラや隙間があったりと作りが雑なところが多い。
ヨーロッパあたりを旅行した金持ちのボンボンがアホな地元業者に丸投げし、三級品の中国製の建築資材を使うと出来上がったものが中途半端になるのだ。安っぽい偽物コピーである。
日本でもバブル世代のおっさんが作った店に同様のものがたくさんある。
ところがアラビカはご覧の通り塗装も綺麗。トイレは自動にフタが開くTOTOのウォシュレットつき(マニラで初めて見た)で、石鹸はイソップ。
物置にダンボールなんか使わないし、タイルに至るまで(おそらく)輸入品を使うなど徹底的に細部までこだわって店を作っている。
店の作りから見て、デザイナーだけでなく内装工も日本から呼んできたのだと思う。
京都の店舗でもバリスタはイケメンの欧米人を雇いスタッフの見た目にまでこだわっているが、こちらもバリスタはタトゥーの入ったハーフ顔。週末はバスケットボールジャージを着てサンミゲルなど飲まなさそうな雰囲気である。
口をポカーンと開けて、客そっちのけでスマホをいじるアホ顔のスタッフなんかここにはいない。おそらく相当高給を払っているのだろう。
高級ホテルと同様、最高の空間を提供するというオーナーの明確な意図を感じる作りだ。
カフェラテの小さいのが120ペソ(約260円)日本が300円だから、ほぼ日本と同じ客単価だ。
昨今の東南アジアの躍進は凄まじい。縮小する日本から新しいマーケットを狙い海外に挑戦する企業は多い。しかしながら高齢の日本人の考えに多い、「貧乏なフィリピンなら日本のモノならなんでも売れる」という考えは通用しないのだ。
私も何度か日本製商品のアジアへの輸出を手伝ったことがあるが、取り立ててよくもない品物を日本より高い単価で売ろうとする経営者がなんと多いことか。大儲けした高度経済成長のビジネスモデルが忘れられないのだろう。
日本製は確かに良い。だが、中国製の品質が上がっている以上、すべての日本製に何倍もの価値はないのだ。
アラビカコーヒーのように「日本で最高の評価を受けているモノを、日本と同じ値段で提供できる時だけ勝てる」と感じた次第である。
ドゥテルテ政権のウラ話
先日、親しくしている元フィリピン政府高官と現政権について話をする機会があった。
実は同国のインテリはドゥテルテ政権の反対者が多い。彼もご多分にもれず、極めて批判的である。
犯罪容疑者を処刑する超法規的措置をいとわぬドゥテルテ大統領は、アメリカ型教育を受けたエリートとはソリが合わない。
反面、これまでアンタッチャブルだったアメリカやカトリック教会をべらんめえ調で罵る姿は、エリート教育から外れた庶民の快哉を呼んでいる。
そんな彼のコメントがなかなか面白かったのでここで共有しておきたい。もちろん、裏の取れない噂話レベルだが、こんなインテリが信じているあたり何らかの真実が含まれている可能性もある。
フィリピンの報道に関しては、実は報道されない裏話の方が面白かったりするのだから・・。
まず、私個人の評価としてはドゥテルテ氏は割に清廉潔白な人物だと感じていた。これは彼が30年間市長を務めたダバオ市を私自身が訪問し、その清潔さや治安の良さに驚いたことも大いに影響している。口先だけでなくきちんと結果を残すフィリピン人というのは極めて少ないからだ。
だが、ビジネスをしているフィリピン人で政府が前よりクリーンになったという人物に会ったことはないのも事実だ。みな口を揃えて「前より腐敗はひどい」と憤る。
元高官にこの点について聞くと「清廉潔白なリーダーが、汚い政府を作るわけがない。ドゥテルテは汚れている」と冷静だ。「庶民の味方を演じているだけだ」とも。
この方の現政権に対する批判を聞いてみよう。
元高官による現政権の批判説その1
「ドゥテルテは麻薬撲滅を公言しているが、中国から飛行機で覚せい剤を地元ダバオに密輸している」
全国で行われた麻薬密売人の処刑は、フィリピン中の覚せい剤ネットワークを自分の傘下におさめるのが目的。要は戦後、日本の山口組が日本全国の中小ヤクザを潰していったのと同じ動きだというのだ。
全土の覚せい剤を地元のシンジケートに独占させることで、莫大な収益を自らのものとしたという。
独裁者マルコス元大統領は戒厳令を利用した各種産業の国営化により、権力を我が物としたが、ドゥテルテはマルコス信奉者なので、同じ手法を踏襲している。
ただし、マルコスは戒厳令下でも覚せい剤は禁止していたので、「それ以上にたちが悪い」らしい。
現政権の批判その2
「日本や韓国の低金利な援助ではなく、中国の高金利な融資による開発援助を増やす理由はピンハネが目的だ」
現政権下で急増する中国の開発援助への懸念は、SNSやメディアでも溢れている。実際にアフリカなどで援助の名の下に権力者に賄賂をつかませて、政府に高金利で融資を行い、返済できなくなったところで地下資源やインフラを奪う手法は中国の常套手段なのだ。
現代の中国植民地は軍隊ではなく、バカな発展途上国の指導者にばらまくカネによって作られているといってもよい。
なにせ中国人には4000年前から賄賂で権力者を操るノウハウがある。坊ちゃん育ちで教養のない国の政治家では太刀打ちできない。
実際に中国の開発援助による高金利の融資を返済できなくなったスリランカでは、南部のハンバントタ港を99年中国に貸与契約をするはめになった。
わかりやく言えば借金のカタに港を植民地にされたのだ!
ちょうど中国が昔、イギリスに香港という港を占領されたのと同じ手口である。
この無茶な融資と引き換えに、当時のスリランカ大統領らは8億4千万円もの賄賂をうけとったと報道されている。まさに売国奴である。
現政権の批判その3
「フィリピンに中国人労働者の受け入れを狙っている」
2019年3月4日、ベロ労働雇用省長官は「フィリピン人海外就労者を8割から9割削減し、人出不足に悩む国内のインフラ事業に充てる」と発言した。
https://www.philstar.com/headlines/2019/03/04/1898500/dole-eyes-90-cut-laborer-deployment
しかしこの発言は支離滅裂である。
現政権が力を入れる国内のインフラ事業が遅れているのは、労働者不足が原因だといっているのだが、そんなわけがない。非正規雇用だらけで失業率も高いこの国で人不足はありえない。そもそも、生来怠け者なので工事の遅れはいつものことである。
海外出稼ぎを禁止したところで誰も得しないのは自明の理だ。
私はいつもの非論理的なフィリピン政府あるあるだと思っていたが、元高官は、中国の開発援助についてくる大量の中国人労働者を受け入れるための伏線だとみている。
すでにマニラでは中国人向けオンラインカジノなどで、10万人もの中国人が働いていると言われており、不法就労者が時折大量に摘発されることがニュースになっている。実際、マニラのレストランや飲み屋ではでかい顔して騒ぐ中国人が急に目につくようになった。
この中国人に対する国民の目は厳しくなる一方だ。
だが、中国は開発援助と引き換えに、中華系企業と中国人労働者を連れてくるのを条件にする。
潤うのは中国人だけで、地元企業への利益や雇用をもたらさないので確執を呼ぶ。開発援助の名の下に中国の「占領」が進む南太平洋のトンガでは、現場は中国人労働者だらけらしい。
「建設労働者が足りない→海外就労を規制しよう→それでも足りないので中国人を入れよう」という筋書きなのだという。
いずれも真偽不明の話だが、親中派の大統領なだけにやりそうな話である。実に不気味で怖い。
致命的な論理的思考の欠如
フィリピン人と話していて常に感じるのが論理的思考の弱さである。
「論理的思考」なんていうと大層なものに感じるが、「要はAをしたらBが起きる」というのを予測して行動するだけなのだが。
将棋やチェス、スポーツでもこの考えは必須なので、大多数の平均的水準以上の日本人には大した話ではない。誰でも、「あの時AではなくBをしておけばこんなことにならなかったのに!」と悔やんだ経験があるだろう。これを踏まえて「次回はAを絶対にしないようにしよう」と考えるのが大切なのだ。
フィリピン人は恐ろしくこの思考能力が弱い。シンガポールではフィリピンをはじめとするマレー系民族の数学能力が弱いという統計が出ているらしい。数学=論理なので、何らかの関連性があると私は疑っている。
さて、このほど、マニラのフィリピンパブ(現地ではカラオケもしくはKTVと呼ぶ)で私についた女の子。歳は22歳で店で働きながら大学に通っているという。そこそこ名前の通った公立大の政策科学部らしい。
色々インタビューしてみたが、話を聞いているとなかなかひどいものだった。
例えば、
私「何で政策科学専攻なの?」
女「本当は教育学部にいって教師になりたかったけど、親がダメって言ったから」
私「理由は?」
女「ワカラナイ」
※「親が言ったから」で思考停止はフィリピン人の典型パターン
私「政策科学部なら将来は公務員かな?」
女「でもフィリピンは政治が悪いからダメ。議員は汚職ばかり」
私「でも、政治がどうして悪いのかな?理由があるよね?」
女「ワカラナイ」
私「そんなことも大学で習わないの??」
※カネを受け取った有権者が喜んで悪徳政治家に投票するから。
コネがすべての社会なので、選挙は政治家にすりよるチャンスとしか捉えていない。
女「実は今のA大からB大に転入しようと考えているの」
私「何で?」
女「親がそういうから」
私「理由は」
女「ワカラナイ」
私「・・・」
ちなみに同種の質問でベトナム人が同じ回答した場合は大体が、めんどくさいから「ワカラナイ」と言っているケースが多い。ベトナム人は見知らぬ外国人に個人情報を渡すのを本能的に嫌悪するので、言わないのだ。実は腹のなかでちゃんと考えている。
だが、フィリピン人の場合は本当にわからないのだ。
「それは飲み屋の女の子だけでしょ?」といってはいけない。私の感覚として国民の70〜80%ぐらいがこのパターンに近いのだ。
これは腕を組んでしっかり考える習慣がないことが原因だと思う。右脳というか脊髄反射で判断してしまうのだ。
土着のマレー系は酒を飲んで歌って踊り、本能のままに異性を追いかけるのが大好きな連中なので、文化的に深く深く考える習慣がないのである。南の島の風土に思索はそぐわない。
よってこの国の経済は華僑に牛耳られてしまっている。コメも鉄も華僑のカルテルが価格を釣り上げ、フィリピン人はやられるがままである。
これは民族的な資質だと思う。論理的に物事を考える華僑に勝つことは永久に厳しいものがあるだろう。
比体罰禁止法に大統領が拒否権発動
ドゥテルテ大統領はこのほど、上院が可決した体罰禁止法への署名に拒否した。
この法案は両親が子供を叩くことだけでなく、公共の場で激しく罵ることも禁ずる徹底したものだった。
ちなみに外国人労働者相手に一番していけないことは体罰である。特に頭をはたくような行為は、たとえ軽くでも侮辱と捕らえられてしまう。
昔、ベトナムの実習生が3年満了して帰るお別れ会の時に、日本人社長に「3年前に仕事で失敗して叩かれた仕返しをしていいですか?」と真顔で発言して問題になったことがあった(笑)。
フィリピン人も体罰には弱く、ヘルメットの上から軽くはたかれただけで、泣きながら「帰りますー」と叫び出すので要注意である。
かようにアジアの会社や学校などにおいて他人による体罰は受け入れられていない。
だが、世界的に見て他人による体罰を教育と捉えるのは、韓国と日本、中華系(中国やシンガポール)ぐらいしかないようである。
アメリカをはじめとする欧米では、民族的にカッとなりやすいのと体格差が激しいので、体罰は殺人沙汰になりかねない。確かにボブサップみたいなのに叩かれたら死んでしまう。よって米軍でも体罰は厳しく禁じられている。
その反面、フィリピンだけでなく、アジアでは両親による体罰は伝統的に存在していた。例えば、私のフィリピン元妻の姉は、子供の時、罰として母親に米袋に入れられて天井に吊るされたらしい(笑)。
ベトナムでも昔は赤蟻をふりかけるなど拷問じみた両親の体罰があったと聞く(さすがに命に関わるので最近は行われない)。
最近ではネット上の「炎上騒ぎ」を恐れ、テレビなどで皆ポリティカリーコレクトな発言しかしないが、私は体罰は時と場合によって必要だと考えている。
そら体罰は基本しないに越したことはない。だが、人間は本来矛盾した生き物なのだから、単純に全面禁止することが良いわけではないだろう。だから、最近は日本でも教師をけしかけて殴らせ、ネット上で拡散させる馬鹿どもが出てきているのだ。
そんな中、このフィリピン大統領は「愛情とともに規律と遵法意識を教えるための体罰は社会にも有益だ」と、自らの信条を拒否の理由にあげた。
また、「体罰を時代遅れのものとする昨今の欧米諸国の傾向を認識している」とした上で、「他国の文化が我が国を必ずしも健全にするものではない。欧米諸国のやり方を無批判に従うことは次の世代に大きな不利益をもたらす」と発言した。
もちろん彼は他人による体罰は賛成していない。両親が行う場合だけだ。とはいえ、痛快!欧米などで高まる人権偏重トレンドにはっきりと反対している。
この人は国の運営が上手いとは思わないが、信念を持った判断は終始一貫しており、分かりやすい。支持率が高いのも納得ができる。
アメリカの植民地そのままだった歴代の指導者とは一線を画す姿。日本も学ばねばならないのではなかろうか?
特定技能ビザによる介護殺人が増える
特定技能ビザでいちばんの注目業界は介護だろう。
2025年には日本人の3人に一人が65歳以上、一説には介護従事者は50万人が不足しているとも言われている。
どんなに一生懸命面倒を見ても、昨日までできていたことが翌日にはできなくなり、最後には死んでしまうという介護は過酷な仕事だと思う。
ゼロから何かを作り上げていく製造業や建築業、回復して元気になっていく医療とは真逆の世界。ナチスの拷問で穴を掘っては埋めさせるというのがあったらしいが、死を看取り続ける仕事はやはり精神的につらい。
なおかつ介護労働は国の補助金や社会保障制度ありきの業界なので、経営者はともかく、構造的に労働者が高収入になるのも難しい。日本の若者が敬遠するのも理解できる。
ちなみに人生で優先するのはカネだけという中国人にとって介護の仕事は不人気だ。製造業や建設業と違い、現場叩き上げで大金持ちになる可能性が低いからだろう。
しかし、この業界にいる日本人に聞けばきつく汚い仕事内容が嫌で辞める人は少ないらしい。むしろ介護業界の女性を中心としたドロドロとした人間関係が退職の原因と聞く。
何はともあれ人不足かつニーズの高まる業界なので、介護で外国人が大量に必要なのは間違いない。ただ、フィリピンでも日本でも外国人労働者を管理してきた経験から言えば、トラブルは覚悟しておかねばならない。けしてバラ色ではないという認識が必要だ。
はっきり言っておこう。間違いなく起きるのが要介護高齢者相手の「虐待」と「殺人」の多発だ。
特に中国とベトナムはやる奴が100%出てくる。10人や20人受け入れたぐらいならでは大丈夫だ。だが、数万人が入ってこれば民族的な性質から言って必ずやると言って良い。
日本でも時たまこういう事件は起きているが、外国人労働者の頭のおかしい奴の割合は日本の比ではない。10万人単位で外国人介護者を受け入れれば毎月のように起きるだろう。「またベトナム介護士が殺人」という見出しが新聞に躍る覚悟は必要だ。
とはいえ、50万人足りないのだから、他に選択肢はない。「どうやって受け入れるか」と話し合うべきなのだ。だが、それと同時に「事件が起きた後にどうやって対処するか」を準備しておくべきなのだ。
だが、国は「外国人による介護現場の殺人事件は必ず起きます」とは言えないので、この面の準備は全くと言って良いほどない。
それではなぜ、殺人が起きると言い切るのか?ベトナムの実習生を見てきた経験から分析しよう。
ベトナム人全般に言えることは「納得して担当した仕事は一生懸命やるのだが、自分の仕事に線(リミット)を引きたがる」傾向が強いということだ。特にカネを増やさずに仕事だけを増やされることに対する彼らの嫌悪感は日本人の理解を超えている。
「AさんBさんCさんはグエンさん(仮名)の担当ね」と決めたとする。グエンは間違いなく一生懸命面倒を見るだろう。だが、ここで日本人が辞めるとか、諸事情により「ちょっとの間、Dさん、Eさんも面倒見て。お願い!」という状況になるとたちまち問題が起きる。
ベトナムや中国人は「ワタシの負担が増えるなら、いくら給料が増えますか?」と言ってくるのだ。実際に言わなくても頭の中はそう考える。
第一、介護なんて大家族の発展途上国には存在しないマイナー産業なのだ。面接では「ワタシはおじいさんが大好きです。カイゴがんばります」なんていうが、大嘘である。
外国人労働者は介護の仕事なんか見たこともないし、愛着も誇りもない。日本にはカネがもらえるから来ているだけだ。
しかし、担当患者が増えたらかと言ってしょっちゅう給料を増やす日本の介護施設はない。お互い様&助け合いで頑張るのが日本人だからだ。
だが、拝金主義が横行する彼の国で育った彼らからしたら、家族以外に愛着も信頼もない。カネが増えないなら押し付けられた日本の爺さん婆さんがどうなろうと知ったことではない(ちなみにフィリピン人は優しいのでここまでひどくはない)。
畢竟(ひっきょう)、「カネが増えない?なら負担を減らそう」と頭が回る。
おそらく、最初はバレないように手を抜き始めるだろう。例えば身体を3回拭いていたところを1回にしたり、日本人監督者から見えないところは汚れたままほったらかす、などだ。
だが、ここで日本人監督者が気づかないなら、もっとエスカレートする。どんどん雑になり、そして最後は死亡事故につながるのだ。事故ではなく、わからないように意図的に殺してしまうケースも必ず起きるだろう。
彼らの頭の中はわかる。「だって給料増えないんだからやるだけムダ」。
「ひどい」「そんなことはしないハズ」なんて考える人は外国人実習生など労働者を使った経験のない人だ。同じ現場で肩を並べて仕事したことがあるなら必ず肯くであろう。
ちなみにベトナムでは病院も賄賂しだい。看護婦や担当医に賄賂をわたさないと、ナースコールを無視されたりするらしい。ひどい時は注射を痛くされるとか…!地味に嫌である…。
担当が増えれば、歩合=賄賂が増えるのが彼の地の医療文化なのだ。カネが全て。
だが、なんども言うがこんな犯罪者予備軍が混じっていても受け入れるしか選択肢はない。
対策としては、人の命のかかる介護現場で手を抜いた外国人は、解雇&ビザ取り消しによる即時強制送還処分を科すこと。これが最低限必要だ。不当解雇なんて言わせてはいけない。転ばぬ先の杖は日本から叩き返すことだ。
あとは、多発する訴訟に備えて病室内の監視カメラの設置義務と賠償保険を充実させることだろうか?「外国人医療事故保険」みたいなのを国で用意し、介護の特定技能ビザで来日する連中に無条件で負担させるべきだ。
誰も口にしないが、特定技能ビザで犯罪と訴訟が増えるのは間違いないのだから、合理的にそれに備えねばならない。
日本人は優秀か?
このブログではフィリピンの悪口をたくさん書いているが、その基本にあるのは「日本人ならマトモ」という前提があった。「勤勉、誠実、謙虚」は我々の美徳である。
しかし最近その認識を大きく改めざるを得ない出来事が起きた。
とある南大阪の取引先の工場が注文の急増と人不足になり、一カ月の間、当社が日本人短期アルバイトの紹介を頼まれたのだ。
エアコンの効いたオフィスで偉そうにコメントを書いてる首都圏のメディアにはわからないだろうが、地方の工場ではハローワークで募集しても誰1人として応募が来ない。
コメンテーターは「賃金を増やせ」とか「高齢者を活用しろ」とかしたり顔でいうが、日本中の会社が三●商事やト●タの給料を払えるわけがないし、8時間以上の立ち仕事は爺さんには無理だ。
さて、この工場はたまたまうちの従業員の地元。若い従業員は知人にフリーターや学生が多いと聞いたので、引き受けてみることにした。
今の若い人はさすがである。インスタなどSNSでバイトの情報をシェアしたらあっという間にのA子、B子、C子、D子の女子4人から、「ぜひやりたい」と言うメッセージが入った。全員20代前半の学生かフリーターである。
無事人が集まったので、まずは面接をしようと考えたのだが、ここからが大変だった。うちの従業員がラインでいざコンタクトしてみるとA以外の3人は「既読スルー」もしくは、見もしない。
仕事をしたいと言ってきたくせにレスポンスが悪いと言う事は我々からしたらよく理解できない・・。そもそも、連絡している従業員は彼女らの知り合いなのに・・。
散々連絡を無視した挙げ句、突然、D子は「やっぱりやめときます」と言ってきた(お前は何がしたかったんや!?)。
今振り返ってみれば、この時点で慣れない日本人バイトの紹介なんてやめとくべきだったが、なにせ取引先が人不足に苦しんでいる。
どうにかこうにかA、B、Cの3人の面接→採用にこぎ着けた。
ところが、保育士の専門学校生というBは勤務の2日前になって「卒業試験を忘れてました。勤務開始を1週間後にずらしてください」と言ってきた。卒業試験を忘れる・・!?つか直前に言うなよ!いろいろ疑問がわきつつ、取引先に平謝りする羽目になった。
さらに、トラブルは続く。
BとCは友人同士だったらしく、勤務シフトを通達するとBは「Cちゃんと毎日一緒に働けると聞いていたのに。話が違う」とラインで文句を言ってきた。CはCで毎週火曜日は休みたいという。もうわけがわからない。
このBはメッセージで文句言うくせにこちらの電話にはロクに出ない。「学校の実習中だから電話できません」と木で鼻をくくったようなメッセージがくるだけ。実習は24時間休憩なしでやっているのか?夜でも朝でも電話できるだろうに・・。
常識でいえばこんなガキはお払い箱だが、勤務日まで決まってしまっているので、後には引けない。取引先の迷惑を考え、なだめすかして入ってもらうことにした。
だが、結論から言うとまともに1ヶ月働いたのはAだけだった。一番文句を言ったBなんか3日間しか働かなかった(笑)。
しかも、このBは仕事が終わったその日に「旅行に行くのでお金をすぐに払って欲しい」と言ってきた。慌てて計算して振り込んだが、その後、お礼の言葉もない。
本当にこんな奴を保育士にして大丈夫なのだろうか・・・?
フィリピンで仕事を経験した方なら、ここまで読んで頭に浮かぶ言葉があるだろう。そう、この子らは「フィリピン人と一緒」なのだ。
断っておくが、たった一人A子だけは1日も休まず1ヶ月黙々と働いてくれた。さらに最後働き終わった後は「ありがとうございました。皆さん温かく接して下さって・・」とお礼のメッセージまで送ってきた。
「日本人はやはり素晴らしい」と救われた気分になったものだ。
ただ日本人の4人中3人がクズだったというこの現実は非常に重い。私は取引先に何度も頭を下げたが、担当者に「日本人の派遣はそんなものですよ」とねぎらわれた(笑)。この工場では朝、派遣会社から「一人見つかりました。面接してください」と連絡が入り、昼頃に「やはりキャンセルになりました」なんてのは当たり前らしい。
失業率の高いフィリピンでは、皆、「仕事がない」とぼやくくせに、いざ就職面接をやると10〜20%の欠席は当たり前である。特にネットで応募してくる連中のドタキャン率はめちゃめちゃ高いらしい。
だから実習生の面接でもドタキャンを計算に入れて多めに呼ぶのだ。
このありさまは気分で動く頭の悪いフィリピン労働者ならではと思っていたが、日本人労働者も同じだったとは・・。日本は大丈夫か、と暗澹たる気分になった。
そっけないフィリピン人
フィリピン実習生を受け入れていて気になることがある。フィリピン人と言うと「人情に厚く、優しい、明るい、親切」というイメージがある。
しかし意外なことがある。
実習生が帰国後、アッサリと音信不通になることだ。昨年まで実習生は3年間契約で延長が不可能なため、我々日本人とは今生の別れだった。したがって音信不通になるのもむべなるかな。と考えていたが、日本で苦楽と寝食を共にしたフィリピン人の同僚とも音信不通になるようだ。
特になんらかの事情があって途中帰国したものがいたりすると顕著である。「帰ったあいつは今何をしているの」と聞いても、同僚は皆「知りませんサー」と首を振る。
国際電話や手紙の時代ならわかるが、今やSNSの時代。世界でフェイスブックの利用者ランキングで8位に入ると言われるフィリピン人なのでいくらでも交流を続けることはできるはずだ。
ちなみにフィリピン人はフェイスブックのアカウント2つ3つ持っているのが当たり前である。①正式なやつ②浮気相手を探すためのアカウント③SNSいじめや浮気がバレたなどもめた拍子に作ったもう一つーーといった感じだ。
ちなみにフィリピンパブで女の子からフェイスブックのアカウントを教えてもらっても喜んではいけない。だいたいが、この2番目のアカウントだからだ。①や③にはフィリピン人の彼氏や隠し子とのツーショット写真があふれていたりする(笑)。
それはさておき、帰った後も律儀に世話になった日本人上司に誕生日やクリスマスのお祝いメッセージを送ってくるものはおそらく経験上5% 前後だろう。
色々トラブルを起こし、その度に我々が走り回って面倒を見たやつに限ってはほぼ100%は音信不通になる傾向が強い。恩知らずとはこのことだ。
こういう奴から稀にメッセージが来たと思ったら、大体が年金の脱退一時金(払い戻し)の問い合わせとか特定技能ビザによる再来日の相談である。一切の連絡を絶っておきながら自分の都合のためだけに連絡してくるのだ。
こういう薄情さに我々日本人はうんざりしてしまう。
え?出会ったフィリピン人からずっと連絡が来る?間違いなくそういうあなたは若いか美人かセクシーな女性で、相手は男である。性欲に忠実かつヒマなのでダメ元でメッセージを送り続けているだけだ。口説くことには本当にマメである。
だが、多分彼らは悪気があってこういうことをしてるわけでは無いのだと思う。
フィリピン人は非常に単純かつ中学生並みの精神年齢なので、自分のメリット=カネ(もしくは性欲)になると思った場合はうっとうしいぐらい連絡をしてくる(=媚びる)。だが、根気とは無縁なので目先のメリットにつながらないとわかった瞬間連絡をやめるのだ。まさに感情のおもむくまま、である。
だから近くにいる権力者には、誕生日やクリスマスのお祝いメッセージなどをしょっちゅう送る。例えば実習中は日本人上司には皆本当にこまめに連絡をくれる。帰国後の音信不通ぶりとのギャップにはえげつないものがあるほどだ。
日本人だったら3年間も働き、なおかつ、お別れパーティなどで見送られて円満に退職したなら、その後もたまに連絡くらいはするだろうが・・・。
こういう人間関係はフィリピン人によくある。例えば彼らは「ベストフレンド」というセリフが大好きだが、お互いのパートナーを平気で寝取ったりする。そういえばうちの実習生も、国に残した嫁と友人との浮気が判明しへこんでいた奴がいた。
【あなたの旦那ダイジュブ?】フィリピン略奪愛天国の実態~圧倒的に女性側からのアプローチが多い - モトボサツ勝手にブログセブ島編vol2
セブ在住の知人の日本人女性は苦労して探したメイドをフィリピン人のママ友に引き抜かれたらしい。「ごめーん、私忙しいかったから(メイドが欲しかったの〜)!」と言われたとか。
いや、みんな忙しいから雇ってるんだろうが、とは思わない。
ただこれに関しては文化や民族の違いとしか言いようがない。彼らは何と言うのか欲望に素直なのだ。
だから、距離が遠ければ疎遠になる反面、我々が彼らのフィリピンの実家に遊びに行けば、なんのわだかまりもなく、全力でもてなしてくれるだろう。実に単純なのである。