フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

フィリピンの大学バスケに驚き

どんな田舎でもバスケットボールコートが存在する フィリピンの大学バスケットボールについて面白い話を聞いた。 バスケは彼の国では花形スポーツで、プロリーグもあるし、大学選手権は国民的娯楽。日本の一昔前の野球のイメージに近い。 電気や水道インフラ…

ここが変だよフィリピン人

コロナの影響で仕事を失ったフィリピン人語学留学生に仕事を紹介してほしいという案件が入った。 当社は人材派遣ではないが、とりあえず人助けと思って当人らに会ってみることした。 ちなみに国内にいる留学生は大きく分けて3つに分かれている。 ①超金持ち…

何かがおかしい新型コロナウイルス

新型コロナウイルスが蔓延して、当社も3月以後バタバタ対応に追われていた。 しかし、どうもおかしいと気づいた人も多いのではないか。 つい3月まで「日本も欧米のように大量の死者が出る!」と騒いで緊急事態宣言を発令し、多くの産業が大打撃を受けた。…

理想の男性像

私は昭和生まれの九州人なので、典型的な男尊女卑文化で育った骨董品である。 とはいえ、フィリピンで過ごした期間も長いので、日本の男性偏重社会が世界的に見て異常であるという国際感覚も有しているつもりだ。 実際のところ労働力としてみた場合、フィジ…

外国人労働者は会社をどう見ているか

外国人労働者受け入れについて特定技能ビザにまつわる営業活動が盛んだ。 だが、外国語もできない国際感覚ゼロの業者が、カネ目当てに飛びついてるだけ、といった感がある。 手を出す前に性質、気質と言うものを理解することが必要であろう。 私はフィリピン…

追われる恐怖、追いつかれる恐怖

www.sbbit.jp ここ4、5年フィリピンの経済発展を目の当たりにしていたが、 先日橘玲さんのこの記事を読み、私の考えていることとズバリ一致していると思った。 以前私はフィリピンは経済的に発展しないという持論だった。国内産業がなく、海外出稼ぎ労働者…

おそるべしベトナムのサービス業

ベトナム中部ホイアンに年末旅行した。 近年は中韓のやかましい観光客でいっぱいと聞く中心部を避け、地元の知り合いに紹介された市街地はずれのホテルに1週間宿泊した。 4年前開業したばかりで、プールは付いているが部屋数は10部屋程度のこじんまりした…

フィリピン人の頭の中

マカティ市に出張中、携帯の調子が悪くなったのでショッピングモール内の修理屋に持ち込んだ。 ビジネスセンターのど真ん中にある綺麗なモールは1階に高級時計やファッションブランドがひしめくのだが、建物端っこの上層階にいくと、胡散臭い中国製携帯部品…

ITスタートアップはセレブの趣味

マカティで行われているスタートアップコンペを見学に行ってみた。 IT関係のスタートアップへの投資を募るため、若者が企画したビジネスプランをプレゼンするイベントである。 主催者はマサチューセッツ工科大卒のエリート。知り合いがメンター(指導)役を…

新マニラ市長は将来の大統領か(2)

(前回の続き) 超格差社会フィリピンでも貧困層上がりの政治家は他にも存在した。 有名どころでは首都圏の最大のビジネス街、マカティのビナイ元市長だ。太ったなまっちろい顔か中国人顔(華僑)が多いこの国の政治家には珍しく浅黒いマレー系の顔をしてい…

新マニラ市長は将来の大統領か?

イケメンで44歳新生代のリーダーだ 首都圏マニラ市の新市長、イスコ・モレノ氏(44)が注目を集めている。就任するや否や、次々とメディア受けする政策を打ち出したのだ。わずか10日ほどの間に以下のような政策を発表。 ・首都圏最大の屋台街ディビソリア地…

慰安婦報道と実習生報道

昨今の実習生報道を見ていて非常に気になることがある。 徴用工や慰安婦の問題は昨今の実習生報道と似通っているように感じるのだ。 断っておくが、私は太平洋戦争の激戦地フィリピンにしばらく住んでいたので、歴史的に見て先の大戦を日本軍がアジア解放の…

高齢化と経営について

池袋の痛ましい交通事故を見て、高齢化の能力の劣化について思うところがある。 当社が取引をしているAとB、2つの派遣組合の理事長は年齢がそれぞれ81歳と84歳だ。 実習生の派遣組合というのは、もともと成り立ちが古いところが多いため、トップが老人とい…

安かろう悪かろう

先日建設関係のお客さんから。 「ベトナム実習生は監理費を月間3万円でできるらしいぞ。お前んとこはなんでそんなに高いんだ!」 と電話がかかってきた。 こういうのは慣れっこなので私はこう答えている。「中国人なら監理費が1万円でできるところ知ってま…

追い詰めない文化

フィリピン人と接しててつくづく思うのはゆるい国であるということである。 まず、この人たちはお互いを責めることがあまりない。 「~しなければ」「~でなければ」という意識が非常に薄い。 沖縄では「なんくるないさー」というらしいが、同様の意味で「バ…

フィリピン選挙と若き民主主義

このほどフィリピンで中間選挙が行われ、ドゥテルテ大統領支持派が大きく議席を伸ばした。盤石の体制を整えたと言えそうである。 日本では知られていないが、人治国家フィリピンの選挙は実弾(カネ)が飛び交うお祭りイベントだ。努力不要、才能不要でコネが…

大人気の日系コーヒー店にて

フィリピンの六本木ヒルズ、ボニファシオグローバルシティ(BGC)に新進気鋭の日系スペシャリティコーヒー店「アラビカ」ができたというので行ってみた。 » 京都のコーヒー屋「%Arabica Coffee」もうすぐBGCでオープン ブログ | フィリピンプライマー 発展途…

ドゥテルテ政権のウラ話

先日、親しくしている元フィリピン政府高官と現政権について話をする機会があった。 実は同国のインテリはドゥテルテ政権の反対者が多い。彼もご多分にもれず、極めて批判的である。 犯罪容疑者を処刑する超法規的措置をいとわぬドゥテルテ大統領は、アメリ…

致命的な論理的思考の欠如

フィリピン人と話していて常に感じるのが論理的思考の弱さである。 「論理的思考」なんていうと大層なものに感じるが、「要はAをしたらBが起きる」というのを予測して行動するだけなのだが。 将棋やチェス、スポーツでもこの考えは必須なので、大多数の平均…

比体罰禁止法に大統領が拒否権発動

ドゥテルテ大統領はこのほど、上院が可決した体罰禁止法への署名に拒否した。 newsinfo.inquirer.net この法案は両親が子供を叩くことだけでなく、公共の場で激しく罵ることも禁ずる徹底したものだった。 ちなみに外国人労働者相手に一番していけないことは…

特定技能ビザによる介護殺人が増える

特定技能ビザでいちばんの注目業界は介護だろう。 2025年には日本人の3人に一人が65歳以上、一説には介護従事者は50万人が不足しているとも言われている。 どんなに一生懸命面倒を見ても、昨日までできていたことが翌日にはできなくなり、最後には…

日本人は優秀か?

このブログではフィリピンの悪口をたくさん書いているが、その基本にあるのは「日本人ならマトモ」という前提があった。「勤勉、誠実、謙虚」は我々の美徳である。 しかし最近その認識を大きく改めざるを得ない出来事が起きた。 とある南大阪の取引先の工場…

そっけないフィリピン人

フィリピン実習生を受け入れていて気になることがある。フィリピン人と言うと「人情に厚く、優しい、明るい、親切」というイメージがある。 しかし意外なことがある。 実習生が帰国後、アッサリと音信不通になることだ。昨年まで実習生は3年間契約で延長が…

フィリピン人の良さを消すコリアンスタイル

アンへレスのゴーゴーバー ゴーゴーバーの店内 マニラ首都圏から3時間ほど北上したところにあるアンヘレスという町がある。 検索すれば死ぬほど出てくるが、この街の最大の産業は女=売春というとんでもない場所である。 街の目抜き通りにはウォーキングス…

特定技能ビザで起きる危機(その5)

「貧すれば鈍す」という言葉は4年間のフィリピン生活中に何度もよぎった言葉である。 フィリピンでもベトナムでもまともな人は富裕層に多いので、「金持ちの教養ある人と話すとストレスがない」と語る現地在住の日本人もいる。 貧困層のフィリピン人とは旅…

特定技能ビザで起きる危機(その4)

特定技能ビザで、日本人が頻繁に直面するであろうトラブルがまた起きたので書きたい。 「犯罪や会社ルール違反に加担した外国人の帰国費用は誰が負担するのか?」という問題である。 実例で説明しよう。 つい先日、フィリピン人実習生の女性2人が帰国した。…

特定技能ビザで起きる危機(その3)

特定技能ビザで起きうる問題点の列挙を続けている。 ①労働のために招聘したのに妊娠や出産時に日本の社会保険や手当を利用しまくって居座る。もしくは、帰国させようとしたら人権を盾に訴えまくる可能性。 ②地方の企業が多額の費用をかけて呼び寄せたのに、…

特定技能ビザで起きる危機(その2)

前回は今年4月に新設される特定技能ビザで来日した外国人が、人権を盾に妊娠や出産にまつわる社会保障制度を悪用したり、日本企業に訴訟を起こす懸念に言及した。 人権に配慮した特定技能ビザは外国人労働者の妊娠時、強制送還させることが難しくなっている…

特定技能ビザで起きる危機(その1)

今年、日本国は外国人受け入れについて鎖国を解こうとしている。 ベルリンの壁崩壊クラスの大きな変化を控えているといっても過言ではない。 これまで頑ななに外国人労働者受け入れを拒んできた日本政府が、今年4月に特定技能ビザという名の「単純労働者ビ…

爆弾テロから見る国際化

フィリピン南部ミンダナオ地方で爆弾テロが相次いでいる。 日本でニュースを見ていると「また危ない国フィリピンで爆弾テロが起きた」と判断されがちだが、 この地方はいわゆる国外国で、普通のフィリピン人からみたら一生足を踏み入れることはない地方であ…