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フィリピン実習生派遣とアレコレ

フィリピン技能実習生派遣にまつわる雑感です。外国人労働者との関わり、アジアビジネスについても記します。

フィリピンとベトナムどっちが発展する?

仕事柄、フィリピン人とベトナム人の外国人実習生と接しているが

両国の国民性に興味深い違いが目につくようになった。

 

日本に来る外国人実習生は共に高校から専門学校卒の一般労働者レベルの若者。

留学生のようなエリートではなく、市場や路上にたむろする市井の人々に一番近い階層だろう。

 

近年共に経済成長で注目を集める両国だが、「ベトナムとフィリピンどちらが伸びるか?」と

聞かれた場合。私は「間違いなくベトナム」、と答え、その根拠として以下の3つを挙げている。

 

①教育レベルの高さ

実は九九や2ケタ3ケタの暗算がまんべんなくできる教育水準を持つ国は少ない。

中国、韓国、日本、ベトナムはこの算数の能力が他国に比べ比較的高いと常々感じるのだ。

 

分数の掛け算、割り算や2ケタ以上掛け算など、日本で言えば小学校高学年レベルの基本的な

算数問題を労働者階級のフィリピン人にやらせると、メタメタである。

4大卒でもあやしいもので、5年生の理工系大学を出ていない限り満点を取る者はいないと言っていい。

 

一方ベトナムは計算問題だけでなく、CADや図面読解力に至るまで、専門学校卒でも結構なレベルに達する。

日本ほどではないが、算数の計算能力ではフィリピンは全く比較にならないといっていい。

実はベトナムでは塾に通うことは一般的で、あるベトナム人は「小学校でもクラスの半分が塾に行ってた」と話す。

これは極端な例でも、私の知る限りフィリピンで塾に通う小学生など見たことはない(一部のエリートを除く)。

 

また、学歴を見て気が付くのはフィリピンにおける大学や短大の中退者の多さである。
労働者を10人集めれば3割は大学や専門学校の「undergraduate(中退)」ではないか?

これは卒業試験や卒業研修で何十万円相当もの「追加費用」を納めるシステムになっている
学校があることや、海外からの送金と言う不安定な経済基盤に頼っていることが原因なのだろう、と思う。

国内産業があるベトナムなら日本と同様に「田畑を売ってでも」という方法もあるのだが、
出稼ぎに頼っている場合、出稼ぎ先の契約が切れた瞬間に学生生活が終わってしまうのだ。

②国内産業の成熟度合い
ベトナム人実習生に帰国後の進路を聞くと、「日系製造業で働く」「家業を継ぐ」「起業する」が多い。
起業する職種も「飲食」「製造」「運送業」「サービス業」など幅広い。
そういえば、以前「ラーメンの麺を作る工場を興す」と言ったものがいた(笑)。

事実、帰国後に現地外資系企業のマネージャーや、起業して社長になった者は多い。

フィリピンも「small businessをやる」という者が多いが、具体的に聞いてみると、
「養豚」「サリサリストア(雑貨店)」「ネットカフェ」「野菜の卸業者」ぐらい。
本当にこの4つくらいしか出てこない。
ベトナムと違い、なぜか飲食やサービス業の起業はほとんどいない

そして、これらの事業に成功した者を見たことがない。

日本のダメサラリーマンの「脱サラしてラーメン屋」の夢と同じくらい創造性に乏しい。
この発想の乏しさはなぜなのか。

個人的にはこれも教育や情報量の差ではないかと感じる・・。

③頭脳流出
そして、フィリピン人の帰国後の進路で一番多いのは「(移民受け入れが可能な)カナダかオーストラリアに移住」。

もうこれに尽きると言っていい。
カナダかオーストラリアのビザをやると言えばフィリピン人全員が移住するのではないかと感じる勢いである。
その反面、ベトナムと違い現地企業への就職を希望する者などはほとんどいない。

コツコツと母国でキャリアを積み上げるのと、清潔で安全な先進国で何倍もの給料をもらうという
2つの選択肢があれば、当然選ぶのは後者の道だろう。私でも同じ立場ならそうする。

とはいえ、これが長期的に国力の発展にどう影響するか。時々人ごとながら暗澹たる気持ちになってしまうのだ。