例えば、大阪市内で平日昼間バスに乗ると、私以外の乗客全てが敬老パスで乗る70代以上と言うことはザラ。心斎橋のコンビニの店員が二人とも白髪のおじいさんだったこともある。
日本の平均年齢は47歳。日本人の半分以上が中高年で、子供が少ない。市内の小学校でも1学年2クラスだったりするのだ。
これに対して平均年齢23歳のフィリピン。ショッピングモールを歩けば10~20代の若者であふれ帰っている。平均28歳のベトナムの都市部を歩けば毎日数組の結婚式アルバム撮影会に出くわす。結婚ラッシュなのだ。
経済の中心は衣・食・住だというが、そもそも衣類の根源を辿ると、異性に対するアピールが主目的である。先日ある60代の経営者が「昔はン十万円のスーパーブランドのシャツを買ったが、今はユニクロでええわ~」と話すのを聞いた。そらそうである、今更女性にアピールする必要がないのだから。
日本の消費を焚きつけた「ブーム・流行」なんてのは結局のところ「ダサいと言われたくない=カッコ良く(綺麗に)見られたい」という気持ちが根底にあるから発生したもので、既婚で性欲の低下した中高年相手に作り出すこと自体が自然の摂理に反していると思う。
「食」だって大量に飲んで食べるのは若者。私の母(60代)なんて「もう肉はいらん」とよく口にする。いくら高齢者が元気でも、無駄に消費するということにかけては若者にかなうわけがない。ちなみにベトナムの実習生と飲むとひたすらイッキを繰り返す。
こんな無茶な飲み方は高齢者にはできないだろう。酒屋は大喜びである。
そして「住」。当然30年ローンなんて高齢者には組めない。いくらリフォームで市場を作り出しても、宅地造成なんてもう不要なのだ。動くお金は新婚家庭の新築には遠く及ばない。
こうしてみると経済活動全てが高齢化により振るわない。「若者の元気がない」とか、「市場が多様化した」という評論家の分析が的外れとは言わないが、一番大きな原因は違うはずだ。
人口が今年1億人を突破したフィリピンをみると真逆の事象が起きている。最近では日本のラーメン屋が大ブームで、一風堂などの進出ラッシュが続いている。中国人がやっているなんちゃってラーメン屋を含めるとマニラだけで20店舗以上が営業しているのだ。
そして売り上げもすごい。日本より高い一杯1000円近くの価格設定で一店毎月700万円の売り上げを叩き出す店もある。人気は豚骨系のこってりした味付けのラーメンで、この辺りも客層の若さがうかがえる。
不動産も空前の売れ行きで、マニラ中心のコンドミニアムは5年で50%程度値上がりした。消費も旺盛でマニラでは日本よりも綺麗なショッピングモールが次々と建設されており、テナントは日本でおなじみの欧米ブランドが並ぶ。数年前から進出しているユニクロは50店舗をフィリピンに作る計画とされている。
こうした国から関西空港に帰ってくると、空港から市内への高速バスの荷下ろしを高齢者がふうふう言いながらやっている姿が眼に入る。こんな日本は異常だと感じるのだが・・。