胡散臭い業界
お客様のところを訪問していてよく聞かれることが、実習生の受け入れ年数が3年から5年に延長されるということだ。実際今年の国会で通ることは間違いないとみられている。
しかし、実習生というと後ろ向きな報道ばかりである。
まあ無理もない。実際この業界にいて感じるのは「胡散臭い人」が本当に多いのだ。関西圏で言えば私が関わっている3、4組合以外でまともなところを見たことは正直、ない。
多くの組合職員は概ね場外馬券売り場に平日昼間にいそうな輩で、もちろん外国に住んだことなどない。「理事長」とか「事務局長」という肩書きが付いているボスはどう見ても詐欺師っぽいおっさんがやっているところばかり。
ちなみに公益財団法人で唯一、外国人実習生受け入れが認められているア⚫︎ムジャパンという団体あるのだが、ここは官僚の天下り先ということは公然の秘密である。役人はかようにずる賢い。
22歳で売春とテロの国(当時)フィリピンに留学して以来、胡散臭い人には慣れている私も驚くレベルだった。
こういうところが多いから賃金未払いだとか、不法労働がちらほら報道されてしまうのだ。
しかし、とは言っても最近は取り締まりも厳しく、でたらめな組合はだいぶ駆逐されているのが現状だ。私の関わっているところなど、残業代込みの手取りで毎月20万円以上もらっているフィリピン人がいるくらいである。
そして何よりも来日する外国人。特にフィリピン人はものすごく喜んでいる。試しに聞いてみてほしい、3年が5年に延長されたらどうするか。と。90%以上が必ず戻りたいと答えるだろう。
これは中国人やベトナム人も同じ、巷の日本語語学学校では元ベトナム実習生で溢れている。彼らは日本で稼いだ金で語学学校の学費とビザの申請費用を払って再入国し、2年間アルバイト漬けの生活を送るのだ。さらに、語学学校卒業後は専門学校に入学し、さらにアルバイト漬けの生活を送るというスキームが完成している。
つまり実習生として働くということに概ね満足している外国人が大半なのである。
新聞では「劣悪な環境で云々」という報道ばかりが横行しているが、事実は必ずしも正しくない。例えばよく問題になる残業代の未払い。「時給200円でこき使われた」と中国人実習生が訴えるケースは毎年報道される。
だが、実際は中国人側から「200円でやります」とオファーしたケースも多々あるのだ。しかし、彼らはずる賢い。一旦企業がこの条件で受けてしまうと、帰国直前に全ての記録を持って労基署に走り差額&賠償金を一気に要求するのだ。
最初から訴える狙いである。性善説に基づいた日本の経営者には、この手口に対応する能力はない。
とはいえ、このケースも外国人の性質を理解した組合がしっかりとモニターしていれば防げるので、結局は胡散臭いところには頼まないということが大切なのだろう。