中国とベトナム、フィリピンの実習生比較(その2)
さて前回の続き
その4 日本語能力(読み書き含む)
中国>ベトナム>フィリピン
その5 日本語能力(会話のみ)
フィリピン>中国・ベトナム
その6 親日度
フィリピン>ベトナム>中国
その7 明るさ
フィリピン>ベトナム>中国
実習生制度の紹介をするとほぼ間違いなく聞かれるのは「言葉できるんか?」という質問。この「言葉」という定義が難しい、例えば、日本語検定試験の能力(その4)で言えば間違いなく漢字を使う中国が図抜けている。また、ベトナムも平均的に机上の勉強できるのでなかなかのものである。
だが、コミュニケーションとなると話が別である。中国人実習生を雇っている会社はたくさんあるが、反日教育を受けた彼らが親しみやすいという話はこれまで聞いたことがない。(その6)
ではメディアで親日と言われているベトナムはどうか?私が昔働いていた組合は約600人のベトナム人実習生がいたが、結論から言って、日本のお金が好きなだけで日本文化に興味のある者などまれだと思う。
手先が器用な彼らは現場では重宝されるが、万引きやキセルで毎月といってよいほど誰かが捕まっていた。失踪や途中帰国者も3割に達するグループもいた。
いくら何でも異常な率である。本当に親日ならこんなに犯罪は犯さないだろう。良くも悪くも「反日教育を受けていない中国人」というのが私のベトナム人に対するイメージである。中国と地続きなので、よく考えたら違うのがおかしいぐらいだ。
(その5)の会話でいうと、あまりよく知られていないが、フィリピン語と日本語の発音は非常に似ているのだ。したがってフィリピン人の日本語はわりと分かりやすい。フィリピンパブが流行った理由はここにもあるのである。
しかし、中国はともかく、独特のアクセントのあるベトナム語は日本語と発音がかけ離れているため、ベトナム人の日本語はかなり聞き取りにくい。
発音が下手な者は、「私は」が「ワッタゥアシワァ」になるのだ。
また、(その7)陽気でネアカなフィリピン人は接しやすい。国民的におしゃべりが大好きなので日本語が下手でも話しかけてくるし、ニコニコしているのであまり憎まれることはない。ろくに挨拶しない中国人実習生に比べたら、挨拶を元気にするのがよいと言われる。
以前プロ野球のスカウトが書いた本を読んでいて「日本野球に合うのは明るいラテンの国の選手」と書いてあったが、まさにその通りだと思う。変なプライドが高くてネクラな外国人は島国日本に合わないのだ。
結局のところ、在留期限が限られた技能実習生で一番優先されるのは、頭の良し悪しや日本語よりも、いかに日本人に好かれるか、そして犯罪などトラブルを起こさないかという点だと私は思う。そういう意味でフィリピン人はもっとも日本に向いていると思う。