フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

メダカの群れにブラックバス

中国人実習生を100名ほど受け入れている企業さんと話す機会を得た。

 

外国人実習生は国内に16万人在籍しているが、うち75%が中国人だ。10年ほど前、中国人といえば「過労死するぐらい働く」と有名だった。漢字のアドバンテージがあるから日本語学習も早いため、他国の追随を許さなかった。

 

しかし、月日は流れ当時、現地で月1万円そこそこだった工員の給料も、近年の経済成長で上海など都市部では8万円くらいまで上昇している。ホワイトカラーなら20〜30万の月給はザラだという。

 

中国人は別に日本が好きなわけでもなんでもない。日本のオカネが好きだっただけである。というわけで、うまみがなくなった現在は途中帰国や、有給を使って会社を休みながら不法なアルバイトに勤しむ。会社は対応に苦慮しているという。

 

ひどい時にはわざと軽い怪我をして、部屋でネットゲームを楽しみながら労災による傷病金をもらうものもいるらしいからタチが悪い。

 

生活保護を例に挙げる間も無く、日本の社会福祉制度は性善説を元に作られている。「二本足の生き物は親以外ならなんでも食う」というブラックバスみたいな彼らからしたら日本社会なんてメダカの群れである。

 

外国人に基本的に性善説は通用しない。取るか取られるかのエゲツない格差社会が世界のスタンダードである。

 

先日フィリピン行きの飛行機に隣り合わせたフィリピン人のおばちゃんは、20前後の時に日本に出稼ぎ→日本人の爺さんとビザ目当てで結婚→離婚という典型パターンの方だった。

 

バブル期のミナミのフィリピンパブでしこたま金をため、マニラ郊外にマンションを買った。現在は家賃収入で悠々自適の生活をしているという。

 

しかし、このおばちゃんは未だに国民保険に入り、永住権が取り消されないよう日本に毎年来るようにしているという。

 

「フィリピンでは病気になったら保険がないからね。日本はいいよ」とうそぶく。病気になったら日本で治療を受けにくるつもりらしい。

 

移民受け入れには差別ではなく、区別が必要というのが私の持論。性悪説に基づいた改革を行わないと、日本の社会福祉なんて彼らの草刈り場になるだろう。

 

ただ、今の政治家や官僚、国民の理解がそこまで進んでいるとは思えない。したがって当座は、期限付きのビザである外国人実習生制度が優れたシステムだと思うのだが・・。

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