フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

世界と日本の格差

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フィリピンの実習生で優秀な人物を入れるコツはズバリ「海外就労権者」を入れることだと思う。

 

国家予算の2倍とも言われる海外からの送金で潤うフィリピン。

 

英語ができるのだから、国内にとどまる理由はない。まともな人物は海外への出稼ぎというのがこの国のスタンダードである。現地で工場のマネージャーをしていた時も、優秀な社員ほど「海外に行きます」と出稼ぎ労働者や移民になった。残るのはバカばっかり。

 

当時私の上司だったフィリピン人男性は、7000人いる従業員の中でトップ5に入る有能な人物だった。元日本の実習生で、日本語ペラペラ。なおかつイケメンなのに謙虚でにこやかと、フィリピン人のいいところを全て備えていた。

 

まともな男はいないのが定説のこの国で、私が信頼し尊敬する数少ない人物だった。ちなみにこのブログでフィリピン人のことをボロクソに行っているが、この国の優秀な人物は中国やベトナムと違い、非常に謙虚で優しい。

 

こういう人に会うと心が洗われるのだが、残念なことにすぐに海外に行ってしまう。

 

彼もご多分にもれず、今は立派なカナダ移民だ。Facebookを見ていると大変大きな家に住んでいる様子。そらそうだろう。ずば抜けて優秀だったから。

 

余談だが、当時の彼の給料は5万円。我々日本人はどんなにアホでも30万円・・。

 

あまりに納得がいかず、マニラの和食レストランで会社の会長を見つけ、「Aさん(フィリピン人上司)の給料を上げてください」と直訴したこともあった。若かったなあ〜。バカだったけど。

 

さて、話は戻る。この上司は移民となったが、2から3年契約で出稼ぎをするのが海外就労の基本パターン。

 

日本に来る実習生の元出稼ぎ先といえば、台湾、韓国、中東が多い。

 

ほんの2、3年前まで台湾や中東の賃金といえば500ドル(当時は5万円くらい)そこそこだったのだが、先月面接した子たちはいずれも8万円〜9万円もらっていた。

 

韓国の飲み屋で働く女の子は、毎月約5万円(400ドル)が積み立て貯金され、これとは別にチップとして月10万円程度の収入が期待できるとして勧誘されているという。

 

中国と違い経済発展の鈍いフィリピンは日本への労働者の派遣元ととしては最適と思うのだが、出稼ぎ先の外国と日本の所得格差が縮まることは喜ばしくない。

 

日本がオカネモチと言われ続ける時代が終わりつつある気がするのだ。