フィリピン実習生派遣とアレコレ

フィリピン技能実習生派遣にまつわる雑感です。外国人労働者との関わり、アジアビジネスについても記します。

フィリピンはなんでそんなに治安が悪いのか(その1)

 

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フィリピンは言われているほど危険ではない。特にセブあたりでは女性が旅行しても他のアジア諸国と変わらない程度の治安だと思う。

 

しかし、マニラの一部はやはり女性の一人旅なんて薦めない。特に80年代売春ツアーで有名だったマラテやエルミタの変なホテルに泊まると、自室にポン引きから電話がかかってくるなんて当たり前。

過去、来比した女子大生がアホな旅行代理店の手配したホテルに泊まり、室内でレイプされるという事件を取材したことがあった。本当に気の毒である。

 

さて、そのフィリピンだが治安が悪い一番大きな理由は警察が狂っているから、ということは以前書いた

アブナイ国フィリピン - フィリピン実習生派遣とアレコレ

 

しかし、実際はもっと根が深い。

 

ご存知の通り、一般的な民主国家では警察が逮捕した後は検察→裁判所という流れで刑が確定する。だが、フィリピンはこの司法システムも破綻しているのだ。

 

一番大きな問題は、フィリピンの裁判制度。一言で言うと意味不明で、たとえ殺人であっても証人が出廷しないと自動的に不起訴扱いとなる。

 つまり日本人が殺された場合、わざわざ日本から親族が審理の都度、来比しないといけない仕組みなのだ。

 

だが、フィリピンの公務員は大多数がコネ入社のアホばかりなので、裁判なんて4、5年がかりは覚悟しなければならないし、審理のスケジュールなんて行き当たりばったり。

気まぐれなスケジュールに応じて、検察の事情徴収、何度も繰り返される裁判の審理に必ず来比することなんてよっぽど暇でなければ不可能だ。

かくして、日本人が被害者の事件は、奇跡的に犯人が逮捕されてもほとんどの場合不起訴処分となり、犯人は野放しとなる。

 

なぜこんなに証人が必要かというと、科学捜査が皆無のこの国で唯一の証拠は「目撃者」だけだからだ。

現場から指紋も取らない(というか取れない)し、金がないからDNA鑑定なんてできない(親族が大金の「手数料」を払えばやってくれるかもしれない)。

2001年に日本人が3億円の保険金をかけられてマニラで殺された事件があった。数年後に日本の警察が捜査員をフィリピン国家警察に派遣したところ、フィリピン警察は凶器など一切の物証を紛失していた。なんて話もある。

 

笑い話だが、事件当時、現場で押収された凶器は小型ナイフだったのだが、サルみたいなフィリピンの警察がそんなものを何年も管理できるわけがない。苦し紛れに日本刀みたいな長〜い刀を持ってきて「これが凶器だ」とのたまわったという。証拠品偽造(笑)。

 

ともあれ、この程度の捜査能力ゆえ、目撃者がいないと裁判にならない。

フィリピン人が被害者の事件でも状況は同じなので、少し知恵のある犯人なら目撃者を買収したり、証人(被害者の親族)を消せば無罪放免となる。全員が顔見知りの田舎なら証人に立つ人も多かろうが、都市化が進んだ昨今では機能しない裁判システムなのだ。

 

しかし、フィリピン人もバカばかりではない。司法が頼りにならなければ違う手に訴えるものもでてくる。(続く)