フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

ミャンマー実習生はどうなのか

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先日ミャンマー実習生を入れていた組合から話を聞いた。この組合は今ではミャンマーをやめてフィリピンに切り替えを検討しており、当社に相談が来たのだ。

今、実習生の派遣元として最も注目されているのはミャンマーベトナムだろう。

上海や北京の工場労働者の給与が7、8万円まで伸びた今、中国は実習生の派遣元として終わりが見えている。世界各国から大手自動車工場が多数存在するタイもそう。ちなみに、豚食わせだけで発狂するインドネシア宗教的にややこしすぎる。

 

しかし、同組合がミャンマーをやめた理由は一言。「難民申請狙いの失踪」を止めれなかったからという。

 難民申請は実はネパール人もよくやる手口で、一部の国からくる不法滞在者にはよく知られた抜け穴だ。

政情不安など母国がめちゃくちゃな国は日本での定住が可能な難民申請ができるのだが、日本は政府が厳しいのでなかなかこれを認めない。だが、彼らも賢いのでそれを分かった上で失踪→申請する。

 

理由は何か。「特定活動」というビザに変えて合法的に仕事ができるからだ。

 

特定活動とは一言で言えば「その他何でも」というカテゴリーのないビザだ。日本は入国審査が鬼のように厳しいので、実習生や留学生として入国し、途中で「私は母国に帰ると迫害されます」と訴え、難民申請すると、半年間このビザがもらえるのだ。

問題はこの後。審査の結果、政府から拒否されても、そこは人道国家日本。ひたすら政府に異議をとなえ続ければ申請中の待機期間としてこのビザは延長され続けるという。

そして、このビザで「待機中」は仕事が好きなだけできる。そもそも難民申請中ということで気がすむまで日本で金を稼ぎ、しこたま金を貯めたらミャンマーに帰るのが狙いなのだから、社会保険や税金なんか滞納しまっくっても気にすることはない。

新聞ではいろいろ言われているが、実習生は労災や社会保険加入は義務で、雇用する企業も非常にまともなところが大部分。

しかし、特定活動ビザに切り替え、保険なぞ払わないブラック企業を掛け持ちで働けば、当然手取りは実習生時代よりもはるかに上を行く。

 

こんな抜け穴を探すのは外人は本当に上手い。当然在日外国人を中心としたブローカーが暗躍し始める。かくして大量のミャンマー人実習生が逃げ出す羽目になったという。

ネパールもこの手口を使う人が多いため、現在ネパール人の留学生はビザがおりにくいというのをネパールの友人から聞いたことがある。

 

実際に受け入れてみないとわからない裏情報。アジア最大のフロンティアともてはやされているが、正直、行った人からいい話は聞かないのもミャンマーである。