フィリピン実習生派遣とアレコレ

フィリピン技能実習生派遣にまつわる雑感です。外国人労働者との関わり、アジアビジネスについても記します。

カニ根性とマネジメント(その2)

前回からの続き。

さて、話が少しずれたが、フィリピン人は外人が上に立つことに抵抗はない。

それが白人であれ、中国人であれ、日本人であれである。

 

他国に比べ、反骨精神が弱く向上心も低いのだ。フィリピン人の実習生でなかなか優秀な人物がいても、「リーダーやるか?」というと、大半が「いや結構です」という。


3年ほど前、日本での実習を終え、満了帰国したフィリピン人男性をマレーシアの日系工場に紹介したことがある。日本での実務経験、英語力とそこそこの日本語力を買われての登用だった。将来は工場の幹部になる人材と期待されて送り込まれたのだが、「いや、僕はそこまでの責任はいいス」みたいなことを言って未だにペーペーの労働者をしている。

ベトナムや中国なら、目をギラギラさせて、「幹部になったら給料はナンボですか?」とくるところだ。(ただ、金が安いと昇級は望まない)

 

こういうの見ていると、フィリピン人が望んでいるのは「優しい親分の下で、可能な限りラクして、なるべく大きな給料が欲しい」ということだと思う。「仕事を通じてスキルや人間性を高め、その結果お金が付いてくる」というのが日本人の理想とする仕事観だと思うが、全然違う。

しんどい親分にはなりたくない。永遠に子分で良いのだ。

 

この向上心のなさを生み出す文化背景を的確に分析している文章がある。中国で投資を成功させ、マニラで日本料理店を経営する「所長さん」のブログだ。

2014-04-25 - 所長サンの哲学的投資生活 ( フィリピン攻略篇 )

 

ここで書かれているように、フィリピンにはミスが発生した場合。当人を厳しく戒め、より良い人間に指導する文化はないと言って良い。

中国はミスした場合、周りに責任転嫁するが(これもムカつくが…)、フィリピンはミスをしても「しょうがないよね」で済ませる。ちなみに上司も「しょうがない」で終わらせる。お互いが責めないゆるーい国。

苦しい思いをして成長する概念が存在しないのだ。ミスを指摘されると、「侮辱された」と解釈して、ひどい場合は逆恨みして銃が出てくる。こんなだから誰も注意したがらない。よって社会も一向に改善しない。

 

例をあげよう、フィリピン人にミスを指摘すると「It never happen again」と言う。直訳すると「そのミスはもう起こらないでしょう」。

最初これを聞いた時、「他人事みたいに言うな!言うなら"I never do it again"だろうが!」と怒っていたのだが、フィリピン人に言わせればこの言い方はキツすぎてツライらしい。

とまあボロクソに書いてきたが、実はこの向上心のなさは裏返せば野心のなさともなる。

だから、中国人やベトナム人がやるように「ノウハウを盗まれて独立された」「コピー品を作られた」なんてことは起きない。つまり、ずっと従順な労働者でいてくれるのだ。

今後我が国が移民を受け入れるに際し、大前提となるのは、「日本人と同じ倫理観を持った民族なんか世界にいない」ということだ。

つまり、腹に一物抱えた油断ならない連中と付き合うか、歯向かわない従順な民族と付き合うかの二者択一になる。それで考えると、フィリピンは付き合いやすい人たちとも言えるのだ。