フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

海外に売る


外国人の派遣をしていると、海外への輸出や進出のお手伝いさせていただく機会にも恵まれる。お客様の中にはベトナムに毎月コンテナを何本も出すまでになったり、フィリピンへ図面のアウトソーシングを始めた方もいらっしゃる。

 

65歳以上が4人に1人という高齢国家、日本で事業が伸びるわけがないと私は考えているので、海外に事業展開するお手伝いはどしどしやっていきいたい。単純な口入れ屋で終わらず、我々が海外生活で作り上げた人脈をご紹介することも当社の使命だ。

 

しかし、こういう話をまとめていく中で最大の障壁は日系企業の高齢化だ。

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貿易なんて一筋縄ではいかないし、ライバル出現などで次の一手、さらに次の一手がいる。

しかし、おしなべてバブル時代を謳歌した60代前後の経営者は対応力が弱い。海外輸出でもがっぽり儲けようとするが、薄利多売がお家芸の華僑らを相手に戦うのだから、バブルみたいな楽な商売がないことをわかっていないように思う。

現地企業から熱烈ラブコールを受けてもまずは「は?外人が買うの?」という反応。腰が重いし、バイヤーがわざわざ訪ねてきても日本語のパンフレットをわたしたりする。せめて英語のパンフはいるだろう。今の時代。

あと、決断が遅い。パナ◯ニックはサムソンの倍の数、稟議のハンコがいると聞いた。私が携わった建材の輸出では某企業にオファーを投げてからゴーサインまで2カ月かかった。

 この厳しい時代に対応し、進化できるのはバブル後の若き経営者だ。実際、当社のお手伝いで海外進出を成功させている社長さん方はいずれも30代から40代。

彼らは「儲けはともかく、今はここで討って出るべきだ」という進取の精神がある。英語がだめでもグーグル翻訳を駆使してメールを送り、現地へも迷わず飛ぶ。


決断と行動の早さは痛快ですらある。もともとアタマが良いので、ある程度の英語なら、すぐにマスターする人もいる。

ただ、アジアでは30代の社長なんて珍しくはない。つい先日、ベトナムの取引先は日本出張を二週間前に決断して飛んできた。日系企業はもっと若返りが必要だと感じる日々である。