フィリピン実習生派遣とアレコレ

フィリピン技能実習生派遣にまつわる雑感です。外国人労働者との関わり、アジアビジネスについても記します。

3年しかいない外国人実習生に年金?

外国人実習生を雇う際、社会保険、年金、労災への加入は義務である。日本人と同じで、個人負担もある。

 ここで不思議なのが、年金だ。

 

実は外国人が年金を払った場合、帰国後に払い戻しの申請ができるのだ。「脱退一時金」と呼ばれ、決まった書類に年金番号母国の振込口座を記入して日本年金機構に送れば入金される仕組みだ。

 

ただ、これをややこしくしているのがこの脱退一時金かかる所得税。振り込まれる金額からは所得税が差し引かれている。

  

そこで脱退一時金受け取り後、さらに日本の税務署に申告すれば課税分の還付を「日本国内の口座」で受けることができるのだ。

 つまり①帰国→②年金機構に脱退一時金申請→③母国の口座に入金→④日本の税務署に還付申請→⑤日本の口座に入金。という面倒くさい手続きを踏んでお金を返してもらうことなる。

 

人にもよるが3年間で納めた年金金額はなかなか大きい。ざっくり言って脱退一時金なら20万円前後。税の還付だけでも5万円くらいになる。

 

帰国した実習生は何せ金がない。必死で申請するのだが、この課税分の返納が大変だ。脱退一時金は年金機構の管轄なのだが、課税分還付は日本の税務署が担当。「ザ・縦割り行政」の壁だ。

 

脱退一時金の申請書類は英語に対応しているが、税還付を受けるには日本人でもややこしい青色申告書に記入しなければならないし、申請したとしても税務署は海外口座に振り込んではくれない。したがって帰国した実習生は日本国内のブローカーや知人に手数料を払って丸投げするハメになる。

 

問題は外人が苦労することだけではない。これらの複雑な申請に多くの公務員の手が取られていることに怒りを覚える。ただでさえ外人は適当に書類を記入するし、下手くそな日本語での問い合わせも来る。膨大な手間がかかる。

 

そもそも、不思議なのはハナから3年(2015年から5年)しか滞在が認められていない彼らがなぜ年金を払うのか?「外国人実習生は短期労働者なので年金は不要です」とやるだけで、年金事務所や税務署で大勢の人件費が浮く。

赤字で破綻しかけている年金制度を救いたいなら、シンプルな「外国人税」を設定し、年金資金に回せば良いだけである。実際シンガポールはそうしていると聞く。

 

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「問題が起きれば事務作業を増やすのが公務員」とこの仕事をして思い知らされたが、このような無駄が公然と行われていることはもっとメディアが周知すべきだと思う。