フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

社員の福利厚生

日系企業の特徴といえば家族経営と終身雇用だったのは一昔前。とはいえ、海外で活躍する企業はいずれも従業員を大切にする誠実さで知られている(ただし給料は安い)。福利厚生にも時間と費用を注いでいる。

 

福利厚生として有効なのは運動会や社員旅行(アウティングといわれる)だ。もともとラテンな明るい国民性なのでイベントは大好き。

従業員はゲームやダンスといった余興の準備は徹夜する勢いで行う。ちなみにグータラな彼らは仕事の徹夜は脅されてもしない生き物・・生き生きと遊びのリハーサルに勤しむ姿は人が変わったようにすら見えたものだ。

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 ↑アウティングの盛り上がり。

 

そしてイベント当日は日本人から見たら異様なくらいの盛り上がりを見せる。日本なら小学生でもこうは盛り上がらない。私が勤めていた工場では翌日は遊び疲れた欠勤者が多いので、諦めて休日にしていたくらいだ(笑)。

 

しかし、今、フィリピン人実習生を受け入れている国内の中小零細製造業で社内イベントを行っているところは本当に少ない。忘年会がせいぜいで、旅行や運動会なんてほぼゼロだ。

 

フィリピンの盛り上がりを思い出すと寂しい限りである。高度経済成長の日本では社内イベントは盛んだったと聞く。昔、某新聞社では「(どさくさに紛れて)あの上司を殴ってやる」と運動会に参加する記者がいたらしい(笑)。むちゃくちゃだが、それだけ日本には活気があったのだろう。

 

欧米系の企業といえば冷たい、労働者使い捨てのイメージがあったが、知人が働くマニラの米国系企業ではチーム(5〜7人)につき毎月2000ペソ(5000円くらい)の交流費が支給され、チーム同士で食事に行けるようにされていた。また、ノートパソコンやスマホも会社支給という。

 

そういえばマニラのスターバックスで女性が「領収書にMicrosoftと書いて」とカウンターで頼んでいるのを聞いたことがある。一杯400円くらいする高いコーヒー代まで会社負担なのだろう。

 

 

今、日本では会社が社内イベントを企画しても参加者が少ないという。高齢化が進み社員が所帯持ちばかりになると、参加する喜びが減るのもわかる(美人やイケメンの独身が多いと、参加する方もテンション上がる)。

 

とはいえ、チームワークが重要視される製造業こそ、社員の交流に取り組むべきと思うのだが・・。