フィリピン実習生派遣とアレコレ

フィリピン技能実習生派遣にまつわる雑感です。外国人労働者との関わり、アジアビジネスについても記します。

東南アジアのわいろ文化(その1)

賃金などの統計資料は参考にしかならないというのがアジアでは常識である。統計で出ない代表的な巨額の経済活動といえばわいろやリベートである。フィリピンなどに比べ、ベトナムでは非常に洗練(笑)されたわいろ文化を持っている。その仕組みは深く、動く金額も巨大だ。

 

知人の日本人男性がベトナム人女性と婚姻届を出すために大阪のベトナム領事館に行った時のことだ。

 

窓口には40代ぐらいの太ったベトナム人。茶色の革ジャンを着て(余談だが、ベトナムの男は日本に来たらすぐに革ジャンを買う。チンピラみたいに見えダサいのだが、彼らの中ではイケてるんだろう)、どでかいシルバーの指輪をはめていた。

 

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↑画像はイメージです

 

物腰はワリに丁寧だったが、「結婚届?『手数料』は8万円〜12万円だな」という発言を聞いて知人は耳を疑った。婚姻書類手続きのために役所に10万前後の金を払う!?

 

そんな金額は不当だというと「あ、そう。じゃあ結婚できないね」とのたまう。

窓口でさんざん交渉したところ、たまたまこの領事館職員が、知人のベトナム人妻の遠い親戚だったことがわかり、4万円まで値段が落ちた。それでも高いが、職員曰く「『手数料』は領事館のみんなで分けるから、自分の一存でただにはできない」のだという。

 

もう一つ例をあげよう。

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別のベトナム人女性は日本の大学を出たエリートで、卒業後はハノイの某一流日系企業の総務で働き始めた。

 

10年近く前のことだが、会社の創立記念で取引先へのプレゼントをすることに決まった。プレゼントは冷蔵庫など家電などだったので、女性は電気屋に向かった。

 

購入を会社経費で済ませ、会計をしていると電気屋から「口座番号を教えてください」と言われたらしい。教える理由などないと感じた彼女。断って事務所に帰ったところ、事務所のベトナム人同僚の態度が急に冷たくなっていたという。

 

後で理由が判明したのだが、ベトナムではこういう場合、店から社員にリベートが支払われるのが常識だったのだ。

そして、ここが賢いのだが、社員はもらったリベートを事務所で公平に分けるのがルール。つまり罪を皆でシェアすることにより、日本人上司にチクられるのを防ぐ仕組みが出来上がっているというわけだ。

ベトナムでの社会人経験がなかった彼女はいたく反省し、すぐにリベートを受け取って同僚と山分けしたらしい。一人だけいい子になっては生きていけないのだ。

 

ベトナム人実習生事業でも同じだ。推薦された候補者を採用しようとするとなぜか出国前の健康診断で引っかかることがある。送り出し機関に通常候補者が支払うべきわいろをわたしていないからだ。

 

私がベトナム実習生をやらない理由はここにもある。とあるハノイの送り出し機関の社長から「ベトナム人実習生入れてくれたら、お前(組合)に一人当たり10万円の手数料を払おう」と言われたことがある。

 

送り出し機関や組合の職員の中では常識だが、一般的に行ってベトナムの実習生候補者は北部で約100万円、南部で30万円くらいのわいろを送り出し機関に収めているのだ。

 

面接の時に通訳に袖の下をわたすことで便宜を図ってもらうなんてことも横行している。

だが、これはベトナムに面接に行った受け入れ企業さんを騙す行為だ。

 

以上の情報はベトナム人を受け入れている方は酒でも飲みながら(素面では言わない)実習生に聞いてみるとすぐにわかる。

 

東南アジアでの生活は長い私だが、どうもこのベトナムのわいろ文化は好きになれないのだ。

では、フィリピンはどうなのだろうか(続く)。