フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

マニラ邦人殺人事件で急展開(その1)

 

 

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 マニラの在留邦人の中で、昨年この岩崎さん殺人事件はビッグニュースだった。なにせ数十年前からマニラで旅行代理店を営む古株で、日本人社会で知らない人はいないくらいの有名人だったのだ。

 

この岩崎さんは昨年5月にマニラの路上でバイクに乗った2人組に銃撃され殺害された。犯人は信号停止中の車にバイクで近寄り、窓ガラス越しに拳銃1発で頭を撃ち抜いて、悠々と立ち去ったという。完全にプロである。

 

ちなみに拳銃は少し離れるとそう簡単に当たらない。日本のヤクザなどは手が震えて外すことが多いらしいし、恐怖心からターゲットの至近距離まで近寄れないそうだ。

 

だが、フィリピンは銃の所持が合法である上、南部ミンダナオ島では未だに紛争が続いている。戦争で実際に人に向けて銃を撃った経験のある元軍人やゲリラがうようよいるのだ。自衛隊やヤクザなんか話にならない実戦経験を積んでいる。

 

こういう殺し屋を牢屋で見たことがあるが、完全に「サカナの目」をしていた。なんというか感情の一部が抜けている。「ああ、これはあかん奴や・・」と感じたことを思い出す。

 

2002年にマニラで幅を利かせていた在日韓国人のゴロツキが殺される事件が起きた。地元の金持ちか司法関係者ともめたらしいのだが、この時の手口も鮮やかだった。

 

同じようにバイクに2人乗り。後部座席から降りたヒットマンはゴロツキの両足を拳銃で撃ち、倒れたところを後頭部にさらに一発撃ちこんで片付けたのだ。白昼の路上で起きた犯罪だが、ヘルメットや覆面すらしていなかった。顔を隠さないあたり、おそらくミンダナオ島あたりから来たプロだろう。

 

話が逸れた。さて、この事件。背後に日本人の歯科医(60)とフィリピン在住の小倉義一(59)なる日本人が絡んでいるという噂が発生当時から流れていた。と、いうか、ヒットマンが殺害前に宿泊してた部屋をこの小倉のフィリピン人妻が用意していた事実まで判明しているのに、アホなフィリピンの警察や検察は訴追しきれなかったのだ。

 

怠け者のフィリピン警察からしてみたら、年間1万件以上の殺人が起きるこの国で日本人同士のトラブルなんて捜査するメリットなんてないのだろう。しかもヒットマンが絡んでいるゴツい事件を迂闊に捜査すると、自分にとばっちりが来るかもしれない。

 

しかし、さすがは日本の警視庁、事件後日本に逃げたこの小倉と妻を、別件で逮捕したようだ。(続く)