フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

フィリピンはなぜ高い?

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外国人技能実習制度においては、監理費を派遣組合と母国(外国)送り出し機関に払うことになっている。通訳やビザの更新、企業への給与の適切な支払いの指導、実習生の世話などにかかる費用である。

費用は組合により、月1万円〜6万円/人とさまざま。ちなみにウチは人数により違うが4万前後だ。

見積もりを出すと「高い!」と言われることがある。

中国人やベトナムはフィリピンより毎月の監理費がだいたい1、2万円は安い。

理由はズバリ、実習生からの賄賂の有無が管理費に反映されるからだ。

通常実習生派遣組合は実習生の母国語通訳を用意することが義務付けられている。

しかし、国際化により国内でまともな通訳は取り合いだ。コストは年々上昇しているから、適当な組合は自前で雇えない。(そもそも組合はいかがわしいおっさんが経営しているところに多い)

よって、送り出し機関から、通訳を派遣してもらうケースが増えている。送り出し機関が母国にいる通訳を組合に派遣する形になる。

つまり組合は通訳を借りているだけだ。これなら、実習生の監理は送り出し機関に丸投げできる。

問題はその費用。あるベトナムの送り出し機関は「10人実習生を入れてくれたら専属通訳を配置します」と受け入れ組合に提案するらしい。

この場合は送り出し機関には組合が一人当たり毎月5,000円の送り出し機関管理費を収めることが条件。しかし、

5,000円✖️10人=毎月50,000円

どうやってこの費用で専属の通訳のコストまかなうのか?答えは簡単。賄賂を実習生から巻き上げるのだ。

ベトナムや中国の選抜時に100万円くらい賄賂を取ると以前書いた。これなら十分まかなえる(ちなみに地域差があり、ホーチミンなら40万円くらい)。管理費が安い秘密はここにある。


だが、問題はこの賄賂。配属先で残業が少ない場合は支払った賄賂のモトが取れない。

これが中国やベトナムの失踪に繋がっている。また、中国人の自動車部品窃盗、ベトナムの組織的な万引きといった副業を誘発しているのだ。

監理費が安いというのも良し悪しである。