フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

何かがおかしい新型コロナウイルス

新型コロナウイルスが蔓延して、当社も3月以後バタバタ対応に追われていた。

しかし、どうもおかしいと気づいた人も多いのではないか。

 

つい3月まで「日本も欧米のように大量の死者が出る!」と騒いで緊急事態宣言を発令し、多くの産業が大打撃を受けた。国民は感染者数に一気一憂する毎日だった。

 

だが、蓋をあけると死者は高齢者や基礎疾患がある人ばかりのわずか900人(6月前半時点)。

毎年インフルエンザ関連で高齢者を中心に2000~3000人が死んでいる日本では大騒ぎするほどでない人数にとどまっている。

 

これはフィリピンでも同じだ。

 

ドゥテルテ大統領は持ち前の素早い決断で3月16日に突然ロックダウンを発令。これは4月頭にフィリピンのお盆休みである「万聖節(オールセインツデー)」があるため、マニラ首都圏の市民が一斉に帰郷するのを防ぐ狙いだったと思われる。

 

実際、フィリピンの医療は平時から崩壊しており、私立病院に入院したら数十万から数百万円の現ナマがないと治療してもらえないし、治療費無料(ということになっている)の公立病院は野戦病院もかくありなんという体たらくなので、庶民はなかなか病院に行けないのだ。

 

ましてや地方ではまともな病院自体がないので、当初はコロナの検査は検体をオーストラリアに送って行っていたほどだった。

 

フィリピンの官僚も一部はとても賢いので、現実を踏まえて素早く地方への人の移動を止めたのだ。

 

外出禁止の厳しさも日本とは比べ物にならない。大統領は「ロックダウンに従わない者は射殺してよい」と警察らに指示し、実際に数人が射殺されている。ちなみに殺された人たちはいずれも精神を病んでいたようだが・・。

 

しかし、日本のそれとは違いポイントがずれた外出禁止策だったようだ。



例えば

・市長が次期選挙を見越した人気取りを狙い、市役所で救援物資配布イベントを実施。結果、三密どころでない群衆が押し寄せる。

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・各地区をまたいだ移動を禁止するため、警察による移動許可証をチェックする検問をもうけた。しかし、だらだらしたフィリピン人はこう行った処理が異常に遅い。日本人の4、5倍は時間がかかる。かくしてバイクの異常な行列が検問所で発生。

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・保健体育教育のないフィリピンでは健康管理に関するリテラシーが異常に低いため、コロナ対策案内に「うがい」の重要性が説かれていない。代わりに「長袖を着る」「櫛から髪を回収する」といった、ずれたアドバイスが重視される。

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フィリピンのとある私立学校で告知されたコロナ対策。一番目が「長袖を着ること」から始まる辺り、学校なのにトンチンカン。

これらの状況から見ても日本や他の先進国とは桁違いに対応がトンチンカンだったのだ。

 

ではフィリピンの結果はどうかというと死者は1000人(6月6日時点)で日本とさして変わらない。もちろん、統計はめちゃくちゃだろうが、それにしても欧米のように万単位で死者は出ていないと言える。

 

これはIPS細胞で有名な山中教授の話す「ファクターX」があるのだと私は考えている。

 

アジア人は重症化しにくい何らかの要素があったのだろう。そうでないと説明がつかないのだ。

 

逆に言えばコロナからの経済の復興はアジアを中心に行われる可能性があるともいえるのではないか?