国別舌の偏差値(その2)
アメリカ人の味覚は悪魔と言われるらしい。マッシュポテトにアップルソースをかけたり、分厚いステーキを食べながらダイエットコークを飲む。アホである。
韓国人はアメリカ人から「キムチは体に悪いから食べないほうがいい」と言われると聞いた(笑)。医食同源という中国文化圏にないから、栄養の知識もない。
その旧植民地で、今もアメリカに憧れ続けているのがフィリピンである。飯がうまいわけがない。
その反対にベトナムはグルメの国だ。秀逸なルポを多数残している近藤紘一氏の著書にも、「生来の食いしん坊」ぶりが描かれている。
なんでもベトナム人は
・金持ちでもロースではなく、味の良い骨周りのガラを好んで買う。
・店構より味を重視する。
らしい。
知人の在日ベトナム人の父親は70年代にボートピープル(難民)としてベトナムを離れ、フィリピンの難民キャンプにいたことがある。そこではフィリピン人相手にレストランをやって繁盛し、ベトナムに仕送りをしていたという。
父親曰く、「フィリピン人は肉のうまい部分とまずい部分を見分けれない」からベトナム人がレストランをやればぼろ勝ちするのだとか。フィリピンの難民キャンプなんてゆるいから、外部の人間が自由に出入りできたのだろう。しかし、難民キャンプでレストランとは(笑)!
ちなみにベトナム人が海外でやるビジネスといえばまずは料理屋と決まっている。しかし、フィリピン人が世界でフィリピン料理店を繁盛させている話は聞いたことがない。
私は貿易にも関わっているので、知人の会社経営者のベトナム人から土産を頼まれることがある。このリクエストは「神戸牛」「日本の粉ミルク」「果物」と食べ物が圧倒的に多い。
以前ベトナム人の女実習生はチョコレートやロールケーキを大量に持って帰ろうとして、空港窓口で重量オーバーで引っかかり、泣きながら捨てていた。
また、ベトナム実習生は日本の包丁や炊飯器と言った調理器具をお土産に持って帰るし、ベトナムや中国に進出した日系工場では社員食堂の料理がまずいことがストライキの引き金になると聞いた。
フィリピンでは社食ストライキなんて聞いたことがない。どこで食べても(我々から見たら)まずいし、微妙な味覚の違いがわかる人なんてわずかだからだ。
フィリピン人が持って帰る日本の食べ物といえば今も昔も「カップヌードルのシーフード味」オンリー。炊飯器や包丁なんて見向きもしない。皆んなパソコンや携帯電話と言った電子機器に飛びつくだけだ。
食事といえば、ベトナム人だけが良く言うのは「日本の農業に興味がある」と言うセリフ。彼の国では食の安全がキーワードになっているからだ。