フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

日本製造業と海外の差

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日本の製造業は世界一だ。この意見に異論は無かろう。外国人技能実習生はタテマエ上「日本の優れた技術を勉強に来ている」ことになっているのだし。


しかし、先日とある電子部品工場で二十数年ほど前の話を聞いた。
当時は地方の名もない小企業。電子部品と言っても工程は乱暴で、不良を出して取引先に呼び出されたりしていたらしい。
 
取引先の再検品もザルで大小を仕分けるわ、床に落ちたやつを磁石で拾い集めるわと今では考えられない乱暴さ。
 
それでもバブルの余韻で今より景気はいいから、残業は100時間なんてザラだったとか。
 
この会社も今や世界中の大手携帯部品を作る上場企業になっている。ミリどころか、ミクロン単位の精度で製品をつくる企業さん。億単位の検査設備を有し、一流大卒の方もいるのだが、わずか前にはそんなものだったと聞いて驚いた?
 
建築もそうだ。阪神大震災までは基準がゆるく、現場では職人がコンクリートの基礎の中に飲み終わったジュースの空き缶を突っ込む風景が見られたとか。
ゴミ箱が遠いし、コンクリに埋めたら見えないからだ(笑)。
 
中国ではビルに鉄筋ではなく竹を入れていると馬鹿にされるが、「日本でも戦後の一時期は普通に入れていた」と話す建設業社さんもいた。コンクリに埋めると腐りにくいから、案外大丈夫らしい!
 
 
中国やアジアの製造レベルを馬鹿にする報道は多いが、彼我の差は大きいようでちいさいのではないか。とも思うのである。