財布を持ったことのない人たち(その2)
フィリピンは最長1年の非正規雇用だらけという話を前回書いた。だから履歴書を見ると半年から1年でコロコロ仕事が変わっている者がたくさんいる。
特に高卒なら20代でも7〜8の職歴があったりする。しかし、契約を切られるたびに無職になるから無職の期間が必ずある。
こんな仕事の仕方だから統計による賃金のデータはあてにならない。最低賃金の月給は3万円だが、実際の年収はもっと少ないものが多い。
さて、そんな財布を持ちなれないフィリピン人が日本に実習生として来て、本国の何倍もの定期収入を得るとどうなるのか。
成金趣味でブランドロゴががっつり入った長財布を買うのである。
つくづく見ていて思うのだが、田舎のおっさんしかり、爆買中国人しかり、貧しい時代を経験した人ほどこういうえげつないブランドロゴ入りのものを買いたがる。
正直ダサいと思うのだが。まあそれは趣味だから良いとしよう。
フィリピン人実習生の場合はこの長財布をかなりの確率で落とすのだ!
持ちなれていない長財布を尻のポケットに入れ、乗り慣れていない自転車に乗るのだから当たり前である。
かくして毎年必ず一人は「サー、財布を落としましたあ」と連絡が私のところに入る羽目になる。
フィリピン人を雇う時は、「長財布はバッグに!」というのを繰り返し指導することが必要だ。