フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

特定技能ビザで起きる危機(その4)

特定技能ビザで、日本人が頻繁に直面するであろうトラブルがまた起きたので書きたい。

 


「犯罪や会社ルール違反に加担した外国人の帰国費用は誰が負担するのか?」という問題である。

 


実例で説明しよう。

 

つい先日、フィリピン人実習生の女性2人が帰国した。会社にとっては契約を満了しないのは大きな損失である。

 


理由はズバリ、フィリピンパブでの「不法就労」。入管に発覚したら受け入れ企業も責任を問われかねない深刻な違反だ。

 


だが、企業側に問題はまったくなかった。賃金はしっかり法律通りに払い、寮は2LDKで1人6畳以上のスペースが確保できる新しく広々としたアパート。定期的に食事会にも連れて行っていた。

 


だが、良くしてあげたら良いことを返すとは限らないのが貧困層外国人労働者

 


2人とも20代で外見も悪くはないため、日曜日の地元の教会で出会った在日フィリピン人のおばはんにスカウトされてしまったのだ。

 


ちなみに、2000年代前半は年間8万人の若いフィリピン女がダンサーや歌手と称して来日していた。興業ビザと呼ばれるこの資格で、日本の津々浦々のフィリピンパブで働くためだ。

 


だが、洋の東西、国籍を問わず、夜の水商売に従事する人にまともな人は少ない。そもそも国に帰ったらド貧困層の出。日本に居座るビザ欲しさに、50~60歳のジジイと結婚するようになる。

 


誤解なきよう言っておくが、中には真面目な人もいるし、フィリピン人妻が皆元飲み屋のねーちゃんではない。しかし、トラブルを起こす在日フィリピン人はほとんどがこのパターンだ。

 


言葉もロクに通じず、夜の関係も年齢的に長くは続かないため、パブの女と日本人の離婚率は90%と聞いたことがある。

 


さて、「興業」とは名ばかりで、売春や人身売買の温床になっているとみなしたアメリカの圧力により、日本政府は2008年から新規興業ビザ発給を制限している。

 


おかげで、現在国内のフィリピンパブは大昔に来日したババアか、ヤクザの力を借りた偽装結婚で来日した子しかいない。

 


自然とどこのパブも人不足になっているので、うちの子もスカウトされたのだ。実習先の仕事後に数時間働き、毎月4~5万円稼いでいたらしい。

 

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フィリピンパブで働いていた実習生、写真を残すあたりがアホすぎる。


だが、先程も言ったが、入管にバレたら本人らは収容施設で拘束され、監理している我々も責任を問われる。本人らに事情聴取を行ったところ、違法行為を認めたため、自主帰国とすることにした。

 


しかし、ここで、問題になるのが帰国費用だ。昔は犯罪行為に加担したゲスどもは航空券代金を負担させて帰国させていた。

 


しかし、紋切り型の人権侵害報道を受け、昨今の実習生制度は往復の航空券は企業もしくは組合負担がルールになっている。

 


そもそも、今回のケースのように穏便に処理する場合は法律的には無罪になる。

 


こうなると、こいつらに航空券を負担させてはいけないのだ!

 


この手のわけのわからない問題を報道するメディアはない。

 


万引きや電車のキセル乗車が大好きなベトナム人が警察に捕まって処分保留で釈放(軽犯罪ではほとんどが起訴までいかない)されても、フィリピン人が飲み屋で不法に働いても、招聘した側で航空券を買わされるのだ。

 


切歯扼腕とはこのことである。

 


企業からしたら、警察や入管に突き出すと、長きにわたる取り調べに付き合わされるし、労働組合みたいなややこしいところに逃げられたら「人権侵害」で訴えられかねない。

 


ちなみにこうして駆け込んだやつは自分に都合の良い嘘や事実ばかりメディアに語り、それが昨今の実習生批判報道になっている場合もある。

 


そもそも仕事をさせるために来日したはずの実習生のせいで面倒ごとに巻き込まれるのは企業からしたら損失だ。取り調べや面会でしょっちゅう呼び出されかねない。

 


穏便に処理して帰らせたいと望むのが自然である。

 


しかし、そうなれば建前上は実習生に何ら問題のない自主帰国扱いなので、帰国費用は企業負担がルールになるジレンマに陥る。

 


こんな連中にはしっかりと賠償金を支払わせるべきであるが、人権を盾に守られてしまう。

 


特定技能ビザでは、軽犯罪だが何だろうが、会社のルールを破った馬鹿者は高額の航空券を負担させて帰らせるべきである。

 


犯罪に加担しながら何の罰も受けず、薄笑いを浮かべて帰る外国人を空港に連れていくほど悔しいことはない。

 


この気持ちを味わう日本人を増やしてはならない!と強く思うのである。