フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

海外に売る

外国人の派遣をしていると、海外への輸出や進出のお手伝いさせていただく機会にも恵まれる。お客様の中にはベトナムに毎月コンテナを何本も出すまでになったり、フィリピンへ図面のアウトソーシングを始めた方もいらっしゃる。 65歳以上が4人に1人という…

「外人お断り」の不動産(その2)

(前回の続き) 水道すらない過酷な環境からきた外国人実習生が、まるで無人の街のように静かで秩序立った日本の住環境を理解できるわけがない。 しかし、入国後はオリエンテーションでゴミ捨てなどルールを各組合は指導している。意外に思われるかもしれな…

「外人お断り」の不動産(実習生寮についてその1)

外国人を雇う際、トラブルになるのが社員寮、つまり住居だ。外国人実習生制度は、国の規定により雇用主が住居を用意する義務がある。 だが今時社員寮なんか持ち合わせている会社は少数だ。99%の企業が民間のアパートを借りあげて実習生を住まわせることに…

南方ボケと現地化

昔、フィリピンで仕事をしていた時、今は亡き祖父から「南方ボケに気をつけろよ」と言われたことがある。祖父は戦時中、海軍整備兵としてパプアニューギニアのラバウルに駐屯していた経験がある(しかし、よくあんなとこにいったもんだ。当時の日本人はすご…

「中国移民」という兵器

東南アジアの歴史を見ていてどうしても解せないことがある。ポルポトによるカンボジアの大虐殺だ。 1970年代、ポル・ポト率いるクメール・ルージュと呼ばれる共産主義政権がカンボジアを支配した。彼らは800万人いた国民のうち200万人を虐殺したと…

カニ根性とマネジメント(その2)

前回からの続き。 さて、話が少しずれたが、フィリピン人は外人が上に立つことに抵抗はない。 それが白人であれ、中国人であれ、日本人であれである。 他国に比べ、反骨精神が弱く向上心も低いのだ。フィリピン人の実習生でなかなか優秀な人物がいても、「リ…

カニ根性とマネジメント(その1)

フィリピン人は「Crab mind(カニ根性)」と呼ばれる気質がある。 蟹を丸いカゴに入れると、お互いの足が邪魔になって外に抜けだせなくなるらしい。足を引っ張り合って貧困から抜け出せない彼らの状態を表現した言葉だ。 実際に仲間内で差をつけられることを…

ベトナム実習生はどうなのか(その3)

前回の続き、 ベトナム人受け入れ最大のリスク「万引き」について前回述べた。 このテーマについて語ると、必ず「賃金が安いから犯罪に走るのだ」などと馬鹿なことをいう人が出てくる。また、ベトナム人はずる賢いので、捕まると同情を誘うため「生活が苦し…

ベトナム実習生はどうなのか(その2 万引き)

前回からの続き。 さて、万引きがベトナム実習生受け入れの大きなリスクと前回書いた。 それを解説する前にまずはこのニュースを見てみよう。 日本警察、ベトナム航空CAに逮捕状、盗品密輸に関与の疑い - 社会 - VIETJO 日刊ベトナムニュース 2014年に万…

ベトナム実習生はどうなのか(その1)

私はベトナム実習生の管理もやっていたので、事業立ち上げの際は派遣も当然考えたが、やめた。今紹介するのはフィリピン一本である。 ベトナム実習生は2014年の統計によると前年比80%以上も増加している。ものすごい人気である。今年の入国数はさらに…

ミャンマー実習生はどうなのか

先日ミャンマー実習生を入れていた組合から話を聞いた。この組合は今ではミャンマーをやめてフィリピンに切り替えを検討しており、当社に相談が来たのだ。 今、実習生の派遣元として最も注目されているのはミャンマーかベトナムだろう。 上海や北京の工場労…

フィリピンはなんでそんなに治安が悪いのか(その2)

ぐーたらな警察が奇跡的に逮捕しても、結局犯人が釈放されてしまうというフィリピンの司法システムの問題を前回書いた。 だが、当然これに疑問を持つ人も出てくる。 フィリピン第3の都市ダバオ。ここの元市長で現副市長であるロドリゴ・ドゥテルテ氏は来年…

フィリピンはなんでそんなに治安が悪いのか(その1)

フィリピンは言われているほど危険ではない。特にセブあたりでは女性が旅行しても他のアジア諸国と変わらない程度の治安だと思う。 しかし、マニラの一部はやはり女性の一人旅なんて薦めない。特に80年代売春ツアーで有名だったマラテやエルミタの変なホテ…

犯罪の種類その2

先日東大阪の不動産会社を回っていると面白い話を聞いた。 近畿大学の近くに有名な精神病院があるのだが、日本の精神病患者は、完治するしないに関わらずしばらく経ったら病院から出てくる。その元患者を集めたマンションがあるというのだ。 不動産会社から…

犯罪の種類

銃の所持が認められ、治安の悪さでは東南アジア最悪とまで称されるフィリピン。殺人件数は年間1万件を超え、日本の10倍近く多い。強盗や傷害事件まで含めたら日本の100倍くらいあるだろう。 昔フィリピン国家警察の幹部にインタビューした際、殺人の統…

世界と日本の格差

フィリピンの実習生で優秀な人物を入れるコツはズバリ「海外就労権者」を入れることだと思う。 国家予算の2倍とも言われる海外からの送金で潤うフィリピン。 英語ができるのだから、国内にとどまる理由はない。まともな人物は海外への出稼ぎというのがこの…

メダカの群れにブラックバス

中国人実習生を100名ほど受け入れている企業さんと話す機会を得た。 外国人実習生は国内に16万人在籍しているが、うち75%が中国人だ。10年ほど前、中国人といえば「過労死するぐらい働く」と有名だった。漢字のアドバンテージがあるから日本語学習…

アブナイ国フィリピン

フィリピンと言えば、必ず聞かれるのが治安問題。曰く「誘拐される」「強盗に手を切り落とされる」云々。 前、話を盛る傾向のある社長さんは「(フィリピンで)ワシの目の前で人が撃たれるのを見たでぇ!」と話していた。 が、これらの話はウソである。 私は…

イタリア人とフィリピン人

私にも娘がいるが、フィリピンの男だけとは結婚させたくないと思う。 何せそこらへんにいるフィリピン人の男といえば、飲む打つヤルの三つしか取り柄がないと言ってもよい。 フィリピンで働いていた際、現地企業の日本人の中では「フィリピン人を雇うなら女→…

中国とベトナム、フィリピンの実習生比較(その2)

さて前回の続き その4 日本語能力(読み書き含む) 中国>ベトナム>フィリピン その5 日本語能力(会話のみ) フィリピン>中国・ベトナム その6 親日度 フィリピン>ベトナム>中国 その7 明るさ フィリピン>ベトナム>中国 実習生制度の紹介をすると…

中国とベトナム、フィリピンの実習生比較(その1)

私はフィリピン実習生の専門だが、前職で7年間ベトナムと中国、フィリピンの3カ国の実習生を管理していた経験がある。少子高齢化が進む今、移民や外国人労働者の論議が活発になる中、この3カ国の特色について軽く述べてみたい。 外国人実習生といえば製造…

胡散臭い業界

お客様のところを訪問していてよく聞かれることが、実習生の受け入れ年数が3年から5年に延長されるということだ。実際今年の国会で通ることは間違いないとみられている。 しかし、実習生というと後ろ向きな報道ばかりである。 まあ無理もない。実際この業…

算数とフィリピン人

フィリピンの実習生と中国やベトナムの実習生の違いだが、大きなのは算数の欠如だと思う。 算数は大の苦手で高校入学と同時に数学を捨てたような私だが、フィリピン人の算数能力の低さはレベルが違う。 三角形の面積などは一部のトップレベルの大学卒でない…

13年ぶりのセブにて物欲を考える。

前職でベトナム人通訳の多くが「あの車が欲しい」「ブランド品が欲しい」とか「これならこれだけ儲かりますよ」と口を開けば金とモノの話ばかりするので、食傷気味になったことがある。ちなみに爆買中国人も金の話が大好きで観光客は「何をいくらで買った」…

読了本「世界は既に破綻しているのか?」

半ズボンでヒゲ、元嫁は沢尻エリカ(少しうらやましい)で仕事はハイパーメディアクリエイターというよくわからない経歴から、ちょっとアレな人に見える高城剛氏の本。「世界は既に破綻しているのか?」を読んだ。近年財政破綻した国々のルポタージュである…

景気を巡る報道について

昨今、景気をめぐる報道が盛んに目に付く。「若者の○○離れ」とか、「物が売れない」という事象を取り上げ、分析する記事もまた多い。 しかし、違和感を感じるのが「高齢化」と不景気をつなげる報道の少なさである。フィリピンやベトナムといった東南アジアを…

マニラの日系タクシー会社訪問記

今回の出張で、以前から気になっていたRyoaki taxiの社長にご挨拶させていただきました。 劣悪なマニラのタクシーに日本のサービスノウハウを持ち込んだことが奏功し、所属タクシーを3年で5台から400台まで急成長させた名物経営者だが、現在はタクシー…

ベトナム人は日本人に似ている??

外国人労働者の派遣会社という奇特な職業についているので、ベトナムやフィリピン人とは職場で毎日の様に接している。最も多いのがベトナム人だが、「ああ、これは大変だ」と痛感する場面がある。 少子高齢化に関してようやく政府も本腰を入れ始めたようで、…

フィリピンとベトナムどっちが発展する?

仕事柄、フィリピン人とベトナム人の外国人実習生と接しているが、 両国の国民性に興味深い違いが目につくようになった。 日本に来る外国人実習生は共に高校から専門学校卒の一般労働者レベルの若者。 留学生のようなエリートではなく、市場や路上にたむろす…