フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

特定技能ビザによる介護殺人が増える

特定技能ビザでいちばんの注目業界は介護だろう。

2025年には日本人の3人に一人が65歳以上、一説には介護従事者は50万人が不足しているとも言われている。

 

どんなに一生懸命面倒を見ても、昨日までできていたことが翌日にはできなくなり、最後には死んでしまうという介護は過酷な仕事だと思う。

 

ゼロから何かを作り上げていく製造業や建築業、回復して元気になっていく医療とは真逆の世界。ナチスの拷問で穴を掘っては埋めさせるというのがあったらしいが、死を看取り続ける仕事はやはり精神的につらい。

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フィリピンの介護資格講習

なおかつ介護労働は国の補助金社会保障制度ありきの業界なので、経営者はともかく、構造的に労働者が高収入になるのも難しい。日本の若者が敬遠するのも理解できる。

 

ちなみに人生で優先するのはカネだけという中国人にとって介護の仕事は不人気だ。製造業や建設業と違い、現場叩き上げで大金持ちになる可能性が低いからだろう。

 

 

しかし、この業界にいる日本人に聞けばきつく汚い仕事内容が嫌で辞める人は少ないらしい。むしろ介護業界の女性を中心としたドロドロとした人間関係が退職の原因と聞く。

 

何はともあれ人不足かつニーズの高まる業界なので、介護で外国人が大量に必要なのは間違いない。ただ、フィリピンでも日本でも外国人労働者を管理してきた経験から言えば、トラブルは覚悟しておかねばならない。けしてバラ色ではないという認識が必要だ。

 

はっきり言っておこう。間違いなく起きるのが要介護高齢者相手の「虐待」と「殺人」の多発だ。

 

特に中国とベトナムはやる奴が100%出てくる。10人や20人受け入れたぐらいならでは大丈夫だ。だが、数万人が入ってこれば民族的な性質から言って必ずやると言って良い。

 

日本でも時たまこういう事件は起きているが、外国人労働者の頭のおかしい奴の割合は日本の比ではない。10万人単位で外国人介護者を受け入れれば毎月のように起きるだろう。「またベトナム介護士が殺人」という見出しが新聞に躍る覚悟は必要だ。

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とはいえ、50万人足りないのだから、他に選択肢はない。「どうやって受け入れるか」と話し合うべきなのだ。だが、それと同時に「事件が起きた後にどうやって対処するか」を準備しておくべきなのだ。

 

だが、国は「外国人による介護現場の殺人事件は必ず起きます」とは言えないので、この面の準備は全くと言って良いほどない。

 

それではなぜ、殺人が起きると言い切るのか?ベトナムの実習生を見てきた経験から分析しよう。

 

ベトナム人全般に言えることは「納得して担当した仕事は一生懸命やるのだが、自分の仕事に線(リミット)を引きたがる」傾向が強いということだ。特にカネを増やさずに仕事だけを増やされることに対する彼らの嫌悪感は日本人の理解を超えている。

 

AさんBさんCさんはグエンさん(仮名)の担当ね」と決めたとする。グエンは間違いなく一生懸命面倒を見るだろう。だが、ここで日本人が辞めるとか、諸事情により「ちょっとの間、Dさん、Eさんも面倒見て。お願い!」という状況になるとたちまち問題が起きる。

 

ベトナムや中国人は「ワタシの負担が増えるなら、いくら給料が増えますか?」と言ってくるのだ。実際に言わなくても頭の中はそう考える。

 

第一、介護なんて大家族の発展途上国には存在しないマイナー産業なのだ。面接では「ワタシはおじいさんが大好きです。カイゴがんばります」なんていうが、大嘘である。

 

外国人労働者は介護の仕事なんか見たこともないし、愛着も誇りもない。日本にはカネがもらえるから来ているだけだ。

 

しかし、担当患者が増えたらかと言ってしょっちゅう給料を増やす日本の介護施設はない。お互い様&助け合いで頑張るのが日本人だからだ。

 

だが、拝金主義が横行する彼の国で育った彼らからしたら、家族以外に愛着も信頼もない。カネが増えないなら押し付けられた日本の爺さん婆さんがどうなろうと知ったことではない(ちなみにフィリピン人は優しいのでここまでひどくはない)。

 

畢竟(ひっきょう)、「カネが増えない?なら負担を減らそう」と頭が回る。

 

おそらく、最初はバレないように手を抜き始めるだろう。例えば身体を3回拭いていたところを1回にしたり、日本人監督者から見えないところは汚れたままほったらかす、などだ。

 

だが、ここで日本人監督者が気づかないなら、もっとエスカレートする。どんどん雑になり、そして最後は死亡事故につながるのだ。事故ではなく、わからないように意図的に殺してしまうケースも必ず起きるだろう。

 

彼らの頭の中はわかる。「だって給料増えないんだからやるだけムダ」。

 

「ひどい」「そんなことはしないハズ」なんて考える人は外国人実習生など労働者を使った経験のない人だ。同じ現場で肩を並べて仕事したことがあるなら必ず肯くであろう。

 

ちなみにベトナムでは病院も賄賂しだい。看護婦や担当医に賄賂をわたさないと、ナースコールを無視されたりするらしい。ひどい時は注射を痛くされるとか…!地味に嫌である…。

 

担当が増えれば、歩合=賄賂が増えるのが彼の地の医療文化なのだ。カネが全て。

 

だが、なんども言うがこんな犯罪者予備軍が混じっていても受け入れるしか選択肢はない。

 

対策としては、人の命のかかる介護現場で手を抜いた外国人は、解雇&ビザ取り消しによる即時強制送還処分を科すこと。これが最低限必要だ。不当解雇なんて言わせてはいけない。転ばぬ先の杖は日本から叩き返すことだ。

 

あとは、多発する訴訟に備えて病室内の監視カメラの設置義務と賠償保険を充実させることだろうか?「外国人医療事故保険」みたいなのを国で用意し、介護の特定技能ビザで来日する連中に無条件で負担させるべきだ。

 

誰も口にしないが、特定技能ビザで犯罪と訴訟が増えるのは間違いないのだから、合理的にそれに備えねばならない。