フィリピン実習生とアレコレ

フィリピン技能実習生にまつわる雑感です。現場から見た外国人労働者との関わり、特定技能ビザの問題についても記します。

日本人は優秀か?

このブログではフィリピンの悪口をたくさん書いているが、その基本にあるのは「日本人ならマトモ」という前提があった。「勤勉、誠実、謙虚」は我々の美徳である。

 

 

しかし最近その認識を大きく改めざるを得ない出来事が起きた。

 

とある南大阪の取引先の工場が注文の急増と人不足になり、一カ月の間、当社が日本人短期アルバイトの紹介を頼まれたのだ。

 

 

エアコンの効いたオフィスで偉そうにコメントを書いてる首都圏のメディアにはわからないだろうが、地方の工場ではハローワークで募集しても誰1人として応募が来ない。

 

コメンテーターは「賃金を増やせ」とか「高齢者を活用しろ」とかしたり顔でいうが、日本中の会社が三●商事やト●タの給料を払えるわけがないし、8時間以上の立ち仕事は爺さんには無理だ。

 

さて、この工場はたまたまうちの従業員の地元。若い従業員は知人にフリーターや学生が多いと聞いたので、引き受けてみることにした。

 

今の若い人はさすがである。インスタなどSNSでバイトの情報をシェアしたらあっという間にのA子、B子、C子、D子の女子4人から、「ぜひやりたい」と言うメッセージが入った。全員20代前半の学生かフリーターである。

 

無事人が集まったので、まずは面接をしようと考えたのだが、ここからが大変だった。うちの従業員がラインでいざコンタクトしてみるとA以外の3人は「既読スルー」もしくは、見もしない。

 

 

仕事をしたいと言ってきたくせにレスポンスが悪いと言う事は我々からしたらよく理解できない・・。そもそも、連絡している従業員は彼女らの知り合いなのに・・。

 

散々連絡を無視した挙げ句、突然、D子は「やっぱりやめときます」と言ってきた(お前は何がしたかったんや!?)。

 

 

今振り返ってみれば、この時点で慣れない日本人バイトの紹介なんてやめとくべきだったが、なにせ取引先が人不足に苦しんでいる。

 

どうにかこうにかA、B、Cの3人の面接→採用にこぎ着けた。

 

ところが、保育士の専門学校生というBは勤務の2日前になって「卒業試験を忘れてました。勤務開始を1週間後にずらしてください」と言ってきた。卒業試験を忘れる・・!?つか直前に言うなよ!いろいろ疑問がわきつつ、取引先に平謝りする羽目になった。

 

さらに、トラブルは続く。

 

BとCは友人同士だったらしく、勤務シフトを通達するとBは「Cちゃんと毎日一緒に働けると聞いていたのに。話が違う」とラインで文句を言ってきた。CはCで毎週火曜日は休みたいという。もうわけがわからない。

 

このBはメッセージで文句言うくせにこちらの電話にはロクに出ない。「学校の実習中だから電話できません」と木で鼻をくくったようなメッセージがくるだけ。実習は24時間休憩なしでやっているのか?夜でも朝でも電話できるだろうに・・。

 

常識でいえばこんなガキはお払い箱だが、勤務日まで決まってしまっているので、後には引けない。取引先の迷惑を考え、なだめすかして入ってもらうことにした。

 

だが、結論から言うとまともに1ヶ月働いたのはAだけだった。一番文句を言ったBなんか3日間しか働かなかった(笑)。

 

しかも、このBは仕事が終わったその日に「旅行に行くのでお金をすぐに払って欲しい」と言ってきた。慌てて計算して振り込んだが、その後、お礼の言葉もない。

 

本当にこんな奴を保育士にして大丈夫なのだろうか・・・?

 

 

フィリピンで仕事を経験した方なら、ここまで読んで頭に浮かぶ言葉があるだろう。そう、この子らは「フィリピン人と一緒」なのだ。

 

 

断っておくが、たった一人A子だけは1日も休まず1ヶ月黙々と働いてくれた。さらに最後働き終わった後は「ありがとうございました。皆さん温かく接して下さって・・」とお礼のメッセージまで送ってきた。

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「日本人はやはり素晴らしい」と救われた気分になったものだ。

 

ただ日本人の4人中3人がクズだったというこの現実は非常に重い。私は取引先に何度も頭を下げたが、担当者に「日本人の派遣はそんなものですよ」とねぎらわれた(笑)。この工場では朝、派遣会社から「一人見つかりました。面接してください」と連絡が入り、昼頃に「やはりキャンセルになりました」なんてのは当たり前らしい。

 

失業率の高いフィリピンでは、皆、「仕事がない」とぼやくくせに、いざ就職面接をやると10〜20%の欠席は当たり前である。特にネットで応募してくる連中のドタキャン率はめちゃめちゃ高いらしい。

 

だから実習生の面接でもドタキャンを計算に入れて多めに呼ぶのだ。

 

このありさまは気分で動く頭の悪いフィリピン労働者ならではと思っていたが、日本人労働者も同じだったとは・・。日本は大丈夫か、と暗澹たる気分になった。