フィリピンの好景気を支えるもの
フィリピンで現地大手製造工場のマネージャーの方とマニラの和食店で会食した。私の現地日系工場の管理者時代の先輩である。辞めて10年以上経つのに未だに面倒を見ていただいているのは本当にありがたいことである。
さて、そこで空前の好景気を迎える同国の現動力はラテン気質な消費(=浪費)力が全てという話をした。
自動車販売台数などは歴代最高を更新し続けているフィリピン。
急激な経済成長を支えるのは月収で10万円〜15万円くらいの中間層だ。日系工場で言えば幹部クラスで、欧米系ならコールセンターで勤務する連中にあたるのだが、彼らが自家用車を購入する客層だという。
同国で大人気なのがトヨタの「フロンティア」という車種(これ↑)。
ぱっと見はランドクルーザーのパッチものみたいだが、乗ってみると結構内装もよく、一昔前のアジア仕様車のような安っぽさは見られない。このフロンティアは大体170万ペソくらいする。日本円で400万となる。
400万円の車を15万円の月給の人が買うのである。
こちらのショッピングモールにいけば催事で車の販売会が行われているのだが、「頭金なし月々15,000ペソ(45,000円)!」みたいに営業される。
もちろんローン金利は高いので支払い総額は500万円ぐらいになるのだが、かまわずにガンガン購入するらしい。
「この国はアジアじゃない。ラテンなんだよ!」 とこの先輩は語っていたが、給料日にはまずみんなで飲みに行く(よって渋滞がえらいことになる)。
今月必要な経費を分けておくという発想がないのだ。なにせ多くの人が財布を持っていない。
つまり高額紙幣やコインを整理して財布に入れて考えながら使うのではなく。ポケットに現金を突っ込み、欲しいものが目に入れば買う習慣なのだという。高額ローンもなんのそのだ。
だが、衣食住への欲望は経済成長の活力だ。この浪費文化は日系企業にはチャンスでもある。サービス業などこちらで全力で挑戦すれば成功する日系企業は多いと思うのだが・・。